【レイプ・性暴力】したくない性的行為をさせられた

 

望まない性的行為は、すべて性暴力です。それを「レイプ」と呼ぶ人もいます。しかし、刑法上のレイプは、強制性交等罪と、準強制性交等罪を意味します。これらは、「膣性交」「肛門性交」「口腔性交」の3類型に限られています。

この3つ以外の「胸を舐められた」「膣や肛門に手や器具を入れられた」などの場合は、強制わいせつ罪、準強制わいせつ罪が成立します。

 

●「レイプ・性暴力」からあなたを守る法律は?
刑法 第177条 強制性交等

13歳以上の者に対し、暴行、または脅迫を用いて性交、肛門性交、または口腔性交をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も同様とする。

●手続きは?
被害にあったときにすべきこと
レイプを含む性暴力では、ごく一部だけが刑事事件となるのが現状です。また、民事的請求が認められるものもそう多くありません。その主な理由は、客観的な証拠が得られにくいことです。レイプは密室で行われることが多いため、目撃証言がない場合がほとんどです。

もし被害にあったときは、すぐに110番に通報してください。ほかにも、各都道府県警の相談窓口につながる警察の性犯罪被害相談電話「♯8103(ハートさん)」や、全国のワンストップ支援センターもあります。

気持ち悪いと思いますが、なるべくシャワーを浴びたり口をゆすいだりはしないでください。そのとき着ていた洋服も捨てないでください。体内、体の表面、衣服に、体液など犯人のDNAが残っている可能性があります。それらは有力な証拠になります。

また、記憶にあることはメモして残しておきましょう。時間や場所、犯人の特徴(体格、洋服の色、顔の特徴など)など、思いつくことを書いてください。このメモは、事件後できるだけ早い段階で残すほうが、刑事事件や民事訴訟になった場合の証拠価値が高くなります。

できるだけ早く病院や警察へ!!
もし被害にあったときは、できるだけ早く病院か警察に行くのが望ましいです。証拠保全や迅速な捜査にもつながりやすくなります。

妊娠のおそれがある場合には、病院で「緊急避妊ピル」を出してもらいましょう。「緊急避妊ピル」とは、事後的に避妊できる薬です。ただし、性交渉後、72時間以内に服用する必要があります。100%避妊できるわけではありませんが、早く服用すればするほど避妊できる可能性が高くなります。

性病感染のおそれがある場合も、やはり病院で検査をお願いしましょう。警察の協力病院へ行くと、費用はかかりません。自分で支払った場合、後日費用が戻ってくる場合もあります。ほかにも、初診料やさまざまな検査にかかる費用、診断書の作成費が無償になる制度があります。できるだけ警察官やワンストップ支援センターの方に同行してもらって、手続きなどはその人にお任せしましょう。