みなさま、こんにちは。
ヘアライターのさとゆみです。

今回は、ついにいきます!
2020年の国民的大ヒット、『鬼滅の刃』のヒロインたちの髪型解説をしちゃいます!

ヘアライター目線で、めちゃくちゃ偏ったレビューしますので、優しく見守ってね。


漫画家さんは、まずキャラクターの髪型を決める?(ネタバレあり)


髪型解説の前に、「漫画のキャラとヘアスタイル」について、ちょっとお話しさせてほしい。

以前、漫画の編集者さんとお話をしたときに
「多くの漫画家さんは、新しいキャラクターを考えるときに、まず髪型と髪色から発想する」と聞いたことがあります。
つまり、髪型と髪色を決めれば、その人物がどんな性格なのか、どんな家に住んでいそうなのか、どんな服を着てどんな音楽を聴いていそうなのか、そんなことが決めやすくなる、というのです。
それだけ、髪型というものが、キャラクター設定と深く結びついているといえるのでしょう。

『鬼滅の刃』の吾峠 呼世晴先生が、髪型や髪色からキャラクター設定を発想されるタイプの先生だったかは分かりませんが、ヘアライターの私からみた『鬼滅の刃』の登場人物たちの髪型は、考え抜かれた末の髪型である、と感じます。


髪型チェンジはキャラチェンジの瞬間


ヒロインたちの髪型の話をする前に、まず、
主人公・炭治郎の同期の我妻善逸(あがつまぜんいつ)の髪について話をさせてください。

覚えてらっしゃる方もいると思いますが、もともと彼は、落ちこぼれの剣士でした。ところが、ある日雷に打たれ、そこである種の生まれ変わりを果たします。
この日を境に、善逸は、情けない剣士から、無意識化で技を繰り出す凄腕の剣士になるわけです。

 

この時、善逸のキャラチェンジの瞬間をわかりやすく象徴的に示したのが髪色の変化でした。もともと黒かった髪が、毛先だけオレンジがかったイエローになったのです。

このように、髪型が、登場人物のキャラクターのチェンジの瞬間を決定づける手法は、いろんな漫画で使われています。
つまり、「髪型の変更=キャラ設定の変更」といえるわけです。

善逸だけではなく、『鬼滅の刃』に登場する、ヒロインたちの髪型も、やはり彼女たちの「らしさ」が表現されていると感じます。


和風美女の象徴+α。禰豆子のロングヘア


まずは、炭治郎の妹の、禰豆子。
彼女のヘアスタイルは、スーパーロングの黒髪。前髪のないワンレングスで、これ、紫式部の時代から、いや、なんなら、かぐや姫の時代から、和風美女の象徴的な髪型です。

ただし、少し趣が違うのは、毛先が、オレンジがかっているところ。

禰豆子に限らず、『鬼滅の刃』のヒロインたちは、(街行く通りすがりのモブキャラとは違って)、ベースのカラーと毛先のカラーが違うのが特徴です。いわゆる、ツートーンカラーというカラーです。 

この毛先の髪色があることで、ただの「古典的美女」ではなく、これまでになかった新しい価値観を備えたヒロインであることが想像できます。
ちなみにこれ、実際に美容院でオーダーするとしたら、毛先だけハイブリーチの上、色をのせるような施術になります。


甘露寺蜜璃は、髪にコンプレックスがあった!


禰豆子の髪型が和風美女の象徴だとしたら、対極にあるのが、甘露寺蜜璃(かんろじみつり)。髪はカールスタイルで、髪色はピンク。こちらは典型的な、現代的洋風美女、しかもセクシー担当の髪型です。

例によって、毛先だけは色が違うのですが、彼女の場合は毛先が黄緑色をしています。かなり個性的で奇抜な色合わせと言えるでしょう。

実は、『鬼滅の刃外伝』では、甘露寺蜜璃が、ずっと、この髪色にコンプレックスを持っていたことが明かされます。
そのコンプレックスを払拭してくれたのが、なんと、煉獄さんでした。

毛先だけ色の違う自分の髪色を、煉獄さんは「変な髪色だろ? エビフライばかり食べていたから、こんな色になったんだよ」と、笑い飛ばします。
そんな彼の明るさに救われ、彼女も最後は、自分のピンク×黄緑の髪色を自分のチャームポイントと思えるようになります。

このとき、彼女は煉獄さんの真似をして「○○を食べすぎたから、こんな髪色なのよ」と、言うのですが……
これ、すごく可愛らしくて素敵なシーンなので、続きは、ぜひ外伝でご覧ください。


胡蝶しのぶの秘めた強さは、フェイスラインに現れている?


もう一人、女性の柱といえば、クールで冷静な胡蝶(こちょう)しのぶ。
『進研ゼミ 小学講座』調べによると、小学生の「あこがれの人」トップ3は、
1位 竈門炭治郎
2位 お母さん
3位 胡蝶しのぶ
なのだとか。禰豆子よりも人気なのね。

 
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