みなさま、あけましておめでとうございます。
年末年始、いかがお過ごしでしょうか。今年は帰省をされず、のんびりご自宅でお過ごしになる方も多かったことと思います。

昨年は不測の事態がいろいろと起こり、ライフスタイルにも大きな変化があった一年でしたね。20年近くファッション記事を担当するなかで、正直、おしゃれどころじゃない状況に何をご提案すれば……と戸惑った年でもありました。

でも、ファッションとは時代を映すもの。
「買う」という選択肢がなかったとしても、「着る」という毎日の選択肢がある限り、お伝えできることはたくさんある、ということにも気づかせてくれた2020年でした。

そして、”時代を映すもの”という意味では、昨年末からついに「風の時代」に突入しましたね!
私たちが今まで着ていたのは、そう「土の時代」のファッション(笑)。
「風の時代に自分を最適化する」には、ファッションをツールにするのも良いのでは?と思っています。なにせ、身につけるものって、すごく気分に影響を与えますし、しかも、簡単に取り入れられるものですよね!

ということで、勝手に「2021年、風の時代のファッションとは?」を特集してみました!(笑)

昨年秋に担当した企画、ミモレ5周年記念の表参道の駅貼りポスター。キャッチコピーは「光を向いて笑おう」と、もうひとつは「風のように、生きよう」でした。川良編集長が新しい「風の時代」に生きる女性に向けて、と考えたこのメッセージ、板谷由夏さんにもすごく共感してもらえた思い出深い企画でした。
 
 


【風の時代のキーワードから読み解くファッション】

●【風の時代のキーワード】自分軸で個性を大切に

大多数から個性の時代へーーと言われる風の時代。これまでのトレンドは、デザイナーが年に2回発表するコレクションの場で提案されたものがベースになっていました。が、ライフスタイルの多様化に加え、このコロナ禍で「トレンド」と呼ばれるものが少なくなってきているのは、皆様も肌で感じていらっしゃると思います。もちろん平安の時代にも髪型や着物の「トレンド」という流れはあったそうなので、「目新しいもの」は楽しい!嬉しい!着たい♡もの。ですが、これからは「みんなが着ている服が素敵に見える」というフィルターが少なくなっていく、ということなのかもしれません。

私は、このコロナ禍で「外出の予定がなく、人の目にも触れないし、すぐに必要ではない」とわかっているにも関わらず「きゅん♡」となり、ついポチってしまったお洋服やアクセサリーがあったのですが、、みなさんはいかがでしょうか?このお買い物をきっかけに、「これが結局、私が好きな服ってことなんだなぁ〜」と、頭のなかも少し断捨離された気がします。

「これって古く見えないかな?」「こんな服着て、年甲斐ないと思われないかな?」「40代で会社員だから、こういう服を着ていると無難かしら」という気持ちで選んだり諦めてしまった服もたくさんありました。でも、そもそもそんな枠組みを持たなかったとしたら、もっと楽しく服を着られるはず……!40代になっても、まだまだ”私らしさ”、”Myスタイル”というものはぼんやりしているのですが、そうして、自分主体で選び続けることが”スタイル”に繋がっていくのではないかーーそんな気もしています。「風の時代」は徐々にそんな、他人軸→自分軸の自由な服の選び方が加速していくようになるのかな、と感じます。

こちらは昨年さかいもゆるさんに書いていただいた「ダイアン・キートンの「一生ブレないおしゃれポリシー」とは?」。アニーホール時代からの変わらぬメンズライクな着こなしもサマになっていますが、スポーツMIXや、ギンガムチェックの大人ガーリーコーデまで、とっても自由で遊び心たっぷりなダイアン・キートンの着こなし。好きです!


●【風の時代のキーワード】”目に見えないもの”が大切

目に見えないものこそ大切だと言われる「風の時代」ですが、まさにファッションこそ、目に見えないもの(=イメージ)を着ている部分が大きいですよね。「これを着てこんな雰囲気になりたい」「大好きなあのお店で買った服」というイメージも込みで着ている部分が、とても大きいものだなぁと思います。

目に見えないものが大切だという風の時代には、この「イメージ」の影響が、より大きくなってくるのかなと感じます。イメージを纏う、と言いますが、纏うイメージがその人自身を表す風の時代。今まで以上に「五感」を大切に選びたいなと思います。

例えば……
・良い素材を着た時の心地良さ
・旅先や素敵なお店で流れている空気感
・色が自分に与えてくれる影響
・作り手の思いに共感して買い物すること
・素敵なあの人が作っている世界観に触れたいという気持ち
・これを着ていることで自分らしくリラックスできる、という心地良さ

こういう、直接目には見えない部分も大事にしたいですよね。

昨年発売した「大草直子ディレクター監修・特装ボックス」。企画を担当していましたが、フィナモレのシャツは、コロナ禍でイタリアの工場が一時ストップ。心配していたのですが、なんとか稼働再開し、現地の職人さんが1枚1枚手縫いで袖付けしてくれたというエピソードも記憶に残る1枚。初めてこの手縫いのシャツを着た時の「ふんわり感」には感動しました。こういう「ストーリー」があるものを大切に着て行きたいなと思います。


●【風の時代のキーワード】軽やか、揺れるもの

文字通り、風のように揺れるジュエリーはもちろん、パッと羽織れたり、機能的で手軽に持ち運べたりするものは引き続き人気になりそうです。二拠点ライフなども増える兆しがあるとのことですが、そんな時にはやはり、軽やかな服が便利ですしね。

さらに、「軽やか」という意味では、ジュエリーやスカーフ、付け襟など、簡単に手持ちの服の印象を変えられるものもキーワード的にぴったりですよね!

こちらも昨年秋に発売した「福田麻琴さん監修・ホリデーボックス」。上質なクルーネックのニットと、その着こなしを軽やかにアップデートしてくれる2つのジュエリーがセットになっていました。素材ミックスや、さまざまなつけ方が楽しめるジュエリーの提案は、風の時代のファッションを感じさせるものに(⁉︎)。
 

他にもまだまだ「風の時代のファッション」のキーワードはありそうですが、それは今年、ミモレでもぜひ特集してみたいと思います!

いつもミモレの記事をご愛読いただき、本当にありがとうございます。皆さまからいただくコメントやご意見もとても励みになっております。
2021年も引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします!