エビフライと笑わせた煉獄カラー

 

前回の記事では、ピンク×黄緑の髪色である甘露寺蜜璃が、その髪色のせいでいじめられていたことや、コンプレックスを持っていたことを紹介しました。
そのコンプレックスを払拭したのが、煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅうろう)です。彼は、自分の髪を「エビフライみたいだろう」と笑い飛ばすのですが、たしかに黄色×赤色の髪色はエビフライ感あります。

煉獄さんの髪型も、相当ツンツンしています。炭次郎に負けず劣らずのツンツン、ベースはウルフスタイルです。
先ほど炭次郎のところで解説したように、ツンツンヘアは、若さや元気さ、無邪気さなどの象徴として描かれる髪型。
熟練の技を持つ柱の中でも、純粋でまっすぐ、そして強い情熱を持つ煉獄さんの、ちょっと“やんちゃ”なキャラクターが、このツンツンヘアによっても後押しされていると感じます。


ストイックな黒髪短髪vsド派手な白髪デザインヘア


同じくツンツンヘアではあるものの、こちらはストイックな印象の悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)。

最年長で柱のまとめ役でもある彼のヘアスタイルは、柱の中で一番髪が短いです。
修行僧のようないでたちなので、ひょっとしたら坊主でもよかったのかもしれません。が、黒髪×短髪という、もっとも飾り気のない髪型を与えられることで、チャラチャラした感じが1ミリもないストイックさが際立っていると感じます。


一方で、「ド派手に!」が口癖の宇髄天元(うずいてんげん)は、白髪。普段はターバンのようなもので巻かれていますが、遊郭で髪をおろしたときには、長めの前髪がセクシーな色男キャラとして登場しました。悲鳴嶼行冥とは真逆のキャラです。

あーーーー。男性の、柱はまだ4人もいる……。
のだけれど、文字数の関係で、ちょっと別方向に曲がります。

ただ、ここで書いておきたいのは、男性の柱は、(ツンツン度には差があれど)全員レイヤースタイルだということ。

闘いを続ける若き戦士=柱は、その闘志の象徴として、動きのはっきり出るレイヤースタイルが選ばれているのだと思います。
髪がなびきやすくて絵になりやすいというのも、レイヤースタイルの特徴です。

そして、そういった柱たちとはまったく違った髪型を持つ、主要人物が2人います。

鬼となりながらも鬼殺隊に合流する愈史郎(ゆしろう)と、お館様である産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)です。
この2人は、毛先までまとまりのある、しっとりさらさらスタイルです。


永年を生きた愈史郎と長く生きられない産屋敷


愈史郎は、鬼でありながら、愛する珠代さんを支え長い時代を生き残っているキャラクター。柱や、十二鬼月とは完全に一線を画す存在です。

その存在の不思議さ、異質さを示すのが、『鬼滅の刃』では数少ない、「とっても普通」なヘアスタイル。
おそらく、メイン登場人物の中で唯一、「私たちでもできる、普通の髪型」です。

また、鬼殺隊を組織している産屋敷家の当主、耀哉。
このお館様は、代々の血筋として長く生きることができない、はかない存在です。

それを象徴するかのように、産屋敷の髪型はおかっぱ頭。おかっぱは、歴史的に見ても、稚児を象徴する髪型で、長い時間を生きることができない(大人になれない)お館様の未来を暗示しているような髪型だと感じます。

というわけで、駆け足でしたら、鬼滅のメンズたちのヘアスタイルに想いを馳せてみました。ぜひ、漫画やアニメで、髪型にも注目してみてくださいね。


前回記事「『鬼滅の刃』ヒロインの髪型を徹底解説!禰豆子、しのぶ、甘露寺...古風なのに新しいのは?」はこちら>>

【画像】鈴木保奈美、多部未華子、長澤まさみ……ドラマヒロインの髪型を徹底分析!>>

 
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