【質問3】なぜ2回接種が必要なのですか?

2回目のワクチン接種を受けた証明書

1回だけの接種だと効果が不十分な可能性が指摘されており、2回接種することで十分な免疫が構築されると考えられているからです。

ワクチン接種はマネキンを使った防災訓練のようなものですが、1回だけではなかなか覚えきれない避難方法も、2回繰り返せば動きがスムーズになるというものです。

2回も防災訓練をしておけば、いざ災害の時(ウイルスを他人からもらってしまった時)にも、すぐに避難ができるのです。

また、現在臨床試験中のワクチンの中には1回接種で十分効果を示すと考えられているものもあり、今後は1回接種のものも登場してくるかもしれません。

 


【質問4】いま有効だとわかっているワクチンはどのぐらいありますか?それらはどうやって選ばれているのですか?


こちら米国で使用が許可されているのは、ファイザーとモデルナの2社のワクチンに限定されています。世界中のワクチンを全て合わせれば、現在10種類ほどのワクチンが使用されています。

ワクチンは、どれだけ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を防いでくれるかを示す有効性、どの程度副反応が出るかの安全性の両面について、数万人単位で行われる臨床試験で確認が行われ、有効性、安全性の両方が十分高いと判断されたときに、はじめて使用が許可されます。臨床試験なく「実験的に」使用されるということは、米国でも日本でも起こりえません。

これらワクチンの何よりの強みは、複数のワクチンで同じように高い有効性が示されていることです。複数の試験結果を見ていると、効果が「まぐれ当たり」ではなかったということがよく分かります。
 

【質問5】それぞれの会社のワクチンで違いはありますか?


ほとんどのワクチンが、ウイルスの「スパイクタンパク」と呼ばれる部位をターゲットにしているという点で共通しています。

ワクチンの違いは、主にその「届け方」の違いにあります。こちら米国で使用されているファイザーやモデルナのワクチンは、スパイクタンパクの「レシピ」を体に届け、体の中でスパイクタンパクを作らせるというものです。

一方で、例えば、ノババックスという企業が開発中のワクチンはスパイクタンパク自体をワクチンとして注射するタイプのものです。

あるいは、現在中国やインドで使われているワクチンは、既存のインフルエンザワクチン等と同様、ウイルスの病原性を失わせ、ウイルスの殻を注射するというタイプのものです。

ただし、最終的な狙いは「ウイルスに似て非なる」マネキンを体のなかに一時的に加え、そのマネキンで免疫のトレーニングをすることを目的にしています。このため、本質的には大きな差異はありません。

また、今後様々なワクチンが世の中に出回り、そのデータが公表されると、データ比較などが行われるようになると思いますが、ワクチン同士を直接比較した臨床試験が行われない限り、別の人たちに行った別々の臨床試験のデータを引っ張ってきて単純比較をすることはナンセンスであることも理解しておく必要があります。
 


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