ジェスチャーを交えた印象的な朗読に全米が注目
日本時間1月21日にアメリカの米連邦議会議事堂で行われた、第46代大統領就任式。パンデミックの影響もあり、従来よりも人出の少なくなったにもかかわらず、レディー・ガガやジェニファー・ロペスなど有名アーティストが歌を披露するなど、華やかな式となりました。
そんな中ひときわ注目を集めたのが、鮮やかな黄色いコートを着たひとりの若い黒人女性。大統領就任式に招かれ、詩を朗読しました。彼女がこの日のために書き上げた詩のタイトルは「The Hill We Climb(私たちがのぼる丘)」。新しい時代への希望がこの詩に託されました。ジェスチャーを交えた印象的な朗読、心に残る言葉、よく通る声とチャーミングな笑顔。ひまわりのようにポジティブで、太陽のように眩しい、圧倒的な存在感がそこにはありました。「あの黄色いコートの詩人は誰?」インターネットでも彼女のことは話題となり、あっという間に「時の人」になりました。
そんな彼女の名前は、アマンダ・ゴーマン、22歳。シングルマザーに育てられた彼女は、幼い頃から読み書きが好きでした。学業優秀で、奨学金で通ったハーバード大学在学中の2017年に、名誉ある「全米青少年桂冠詩人」に選ばれました。以来、全米で最も注目を集める詩人のひとりと言われています。
就任式で着ていて話題となったコートはプラダのものらしく、インスタでも同じコートを着ている。
オバマ前大統領も絶賛
大統領就任式で詩人が呼ばれ、詩を朗読することはこれまでも何度かありました。しかし、22歳の彼女はもちろん史上最年少。プレッシャーを跳ねのけ、世界が注目する大舞台で、素晴らしいパフォーマンスを披露、ネット上でバラク・オバマ前大統領をはじめとする多くの著名人から大絶賛されました。
驚くことにアマンダには、子供の頃から言語障害がありました。その苦労は大学に入ってからも続いており、最終的にそれを克服できたのはトニー賞受賞の大ヒットミュージカル『ハミルトン』の中のラップ調のセリフを練習したおかげなのだそう。就任式での詩「The Hill We Climb」も『ハミルトン』からインスピレーションを受けた箇所があったと語っています。それを受けて脚本・作曲・作詞・主演を務めたリン=マニュエル・ミランダもアマンダをtwitterで「Brava!」と絶賛しました。
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