このたび、ミモレで『月曜は週1ヴィーガンの日』という連載をスタートすることになった杉山絵美さん。もともとクリスチャン ディオールの敏腕PRとして活躍していた頃から、世界のグルメにも精通し、趣味の範疇を超える料理上手としても知られていました。今やさまざまなメディアでの食に関する連載やミールキットのレシピ開発を行うなど、料理家としても活動中。そんな杉山さんがヴィーガンの世界に目覚めたきっかけや『週1ヴィーガン』を勧める理由、そして今後のビジョンなどについてお話を伺いました。 

ジョン・レノン一家との出会いが原点。料理家が「週1ヴィーガン」に目覚めた理由_img0
 

杉山絵美
料理家。ライフスタイルナビゲーター。芸術家の家系に生まれ、慶應義塾大学文学部卒業後、イギリスに留学し、コンスタンス・スプライ・フラワースクールにてディプロマ取得。また隣接するカンパナ フィニシングスクールにてエンターテイニングとクッキングを学ぶ。帰国後はクリスチャン ディオールの広報として勤務。2005年に独立し、ラグジュアリーブランドを扱うPRエージェンシーSTEP inc.を設立。また、料理好きがこうじて、世界中を食べ歩いて研究したレシピをもとに料理教室を開催。ファッション誌等で、料理のレシピの紹介を4年前からスタート。2020年Oisixでミールキットをプロデュースし、短期間で完売し話題となる。2020年フードロス問題に取り組んでいく新会社FOOD LOSS BANKを日本ガストロミー学会会長とともに設立。

Instagramアカウント:@emisugiyama530
Youtubeアカウント:Emi Sugiyama

 


キャリアのスタートはラグジュアリーファッションの世界


今、ヴィーガン料理をはじめ、目にも舌にも美味しい料理をさまざまな場所で発信している杉山絵美さん。そのキャリアは、華やかなファッション業界からスタートしました。

「大学を卒業後にイギリスに留学し、その帰国後にクリスチャン ディオールにPR担当として入社しました。当時は、ジョン・ガリアーノやヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌ、エディ・スリマンといったスターデザイナーたちが活躍していた時代。彼らのアーティストとしての才能に触れることができたエキサイティングな10年間でした。その間に、ディオールの新店舗のオープンニングにテレビドラマの企画や撮影協力、本国からデザイナーが来日した際のアテンドやクリエティブのサポートなど……。あらゆる業務を担当させていただいて素晴らしい経験をたくさんしたのですが、あるとき徹夜続きの大きなプロジェクトが終了した時に、充実感とともに燃焼し尽くした自分に気づいたんです。

せっかくなら一度の人生でもっと色々なことをやってみたいと思って33歳で独立し、ファッションに加えてもともと興味のあったアートや食、旅などのラグジュアリーライフスタイルを広く手がけることのできるようなPR会社STEP inc.を設立しました。それまで一つのブランドに情熱をかけて仕事をしてきましたが、いくつものブランドのPRを手がけ、パリだけでなくニューヨーク、ミラノ、ロンドンと世界中を飛び回るようになりました。

また、今はクローズしてしまいましたが、Audi Forum 東京の年間イベントのプロデュースを担当し、ジョン&ヨーコの“ダブルファンタジー” 30周年の記念展覧会や、草間彌生さんのアート展などに携わらせていただいていたんです。それがご縁で篠山紀信さんが撮られた写真集の企画もやらせていただきました」