「最近の若者は、あまり恋愛をしなくなった」と言われるもの。現在、30、40代の世代には、若かりし頃に恋愛をたくさん楽しんだ人もいるので(なかには今も、現役で楽しんでいる人もいるので)、「考えられない!」と思う人もいるかもしれません。
どうして若い世代の人たちが恋愛をしなくなったのでしょうか?もちろん、その理由は人によっても違うでしょうが、今回は多くの人に当てはまることから少数派のことまで色々と紹介します。

若者が恋愛しない理由1:恋愛以外に夢中になれることがあるから

「無理に好きな人を作らなくていい」最近の若者が恋愛しない5つの理由_img0
 

恋愛以外に夢中になれるものがあると、そっちに時間と労力を注いでしまうもの。その“気が向いているもの”が「趣味」という人もいますが、現代の若者の傾向を見ると、LINEによるコミュニケーションやSNSの発信とチェックで忙しい人が多いものです。

調べてみると、日本では、iPhoneに続いて、本格的にAndroidスマホが販売されるようになったのが2010年で、それに伴い、LINEも普及しました。さらに10、20代に人気のInstagramは、2014年から日本語アカウントが開設されています。
つまり「7~11年前から、多くの人がLINEやSNSを使うようになった」ことを考慮すると、現代の10、20代前半の人たちは、遅くても10代後半のころには普通に使っています。まさに、30、40代世代が“恋に夢中になっていた年齢”のときには、日常的にLINEやSNSがあるのです。

リアルな友達だけでなくSNS上のみの知り合いなど、さまざまな人と四六時中コミュニケーションをとっていたら、寂しさを感じにくいし、溢れるほどたくさんある情報を取捨選択していたら、忙しくて恋愛はそっちのけになってしまうところはあるかもしれません。
しかも、SNS以外にも、現代にはゲームや娯楽など、楽しいものが色々と揃っています。

現在、40代の世代が20代前半のころは、インターネットがそこまで普及していなかったので、情報は本や雑誌を買って得ていましたし、カラオケボックスやボーリングなどの娯楽はありましたが、今ほど充実はしていません。だから、「自分の心を楽しませるために、恋愛を求めていた」ところもあると思うのです。つまり、恋愛は“自分を楽しませるツール”の1つでもあったのだと。

でも、若い世代には、恋愛をしなくても、楽しめるものはいくらでもあるし、むしろありすぎて、取捨選択する必要があるくらいです。だから、そこまで恋愛を“必要としていない”ところもあるのでしょう。

 


若者が恋愛しない理由2:傷つくのが怖いから


「傷つくのが怖いから、恋愛したくない」という若者は多いものですが、そういう失敗を恐れる人が増えたのは、社会的な背景もあるかもしれません。
もともとは年功序列の企業が多かった日本でしたが、1990年代後半以降に「成果主義」が導入され、特に2008年のアメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが経営破綻した「リーマン・ショック」よって、リストラ、派遣切りといった雇用悪化が続き、より結果主義になっていったように感じています。
そう考えると、現在の10、20代は成長過程として大事な時期を、“過程よりも結果主義の社会”で育ってきたところもあるのではないでしょうか。

そして、「結果こそが全て」だと思っている人が失敗をしてしまったときは、普通以上に深く傷ついてしまうもの。だからこそ、恋愛を避けてしまうところもあるのかもしれません。
恋愛の多くは、はじめから相思相愛なんてことは稀で、どちらか一方の片思いから始まります。そして、人にもよりますが、片思いの成功率というのは、そんなに高いわけではないですしね。

これは、若い世代だけが悪いわけではなく、そんな結果主義の世の中を作ってしまった私たちにも責任はあるもの。もっと若い人たちに、「失敗をしても、そこから学べることがあり、それこそが自分を成長させるものだ」と教えてあげられるようになる必要があるのかもしれませんね。

また、SNSの普及により、リアルな人付き合いが苦手な人が増えてきています。そういう人は、人と深く関わると、色々とモメ事が出てきたり、傷つけられたりすることも出てくるので、「軽く付き合いたい」と思う傾向があります。
それこそ、昭和の時代は、テレビドラマにしても、「喧嘩をして、お互いをぶつけ合い、理解し合って、友情を深める」といった熱血のパターンが多く見られましたが、今の若い世代の場合は、「モメるのは面倒だから、LINEをブロックして終了」なんて人も、少なくありません。
ただ、人と深く関わることで得られるものもあるので、恋愛に限らず、人との付き合いには、もう少し情熱的になってもいいでしょうね。

若者が恋愛しない理由3:結婚したくないから


現代の若者は、30代以上の人たちの結婚生活を見て、「大変そうだ」と思ったり、また「結婚制度そのものが、自分の価値観に合わない」と感じたりして、結婚願望がない人も意外といます。

例えば、若い女性の場合は、現代は夫婦共働きであるにも関わらず、女性のほうが家事や育児の負担が大きいことを懸念している人も多いもの。特にキャリア志向の強い人は、結婚によって諦めなくてはいけなくなることが出てくることを、“人生の先輩方の事例”で分かっていて、結婚に憧れないところもあるのでしょう。
また、若い男性のほうも、自分だけの給与では家族を養えないことから、「結婚したら大変そうだから、嫌だな」と思っている人も少なくありません。

結婚制度自体も、今の世代には合わないことも色々とあるもの。例えば、日本では選択制夫婦別姓ではないことを不服に感じている人は少なからずいますし、結婚後は、「たとえ気が合わなくても、相手の両親や親戚と付き合わなくてはいけない」のは、サラリとした人間関係を好む現代人にとっては、面倒に感じるものでしょう。

これに関しては、私たち、30、40代以上の世代も努力して、社会の在り方や結婚制度もよりよくしていかないと、今後、ますます結婚をしたがらない若者は増えてくるでしょう。
とはいえ、現代は、生涯未婚率が増え、30、40代以上の人たちも結婚をしない人が増えているので、若い世代だけの話ではないのかもしれませんね(苦笑)。

若者が恋愛しない理由4:無理に好きな人を作らないから


30、40代の世代は、「好きな人がいなかったら、好きな人を見つけようとする人が多い」ものですが、今の若者は、「好きな人がいない時は恋愛をしない人が多い」のかもしれません。
それは、悪いことではありません。恋愛は無理にするものではないからです。

逆を言えば、今の若い世代でも、好きな人ができたときには、恋をしてしまうものでしょう。恋はしようとしなくても、落ちてしまうものですしね。
そして、相手への思いが本気であればあるほど、自分が傷つこうがなんだろうが、“無私の境地”で気持ちを伝えたくなる衝動に駆られるものなのだと思います。それが、「愛」ですしね。

個人的には、「恋はしなくても、愛を持っていればいい」と考えています。つまり、単に恋を求めているうちは、自分が心をトキめせること自体が楽しかったり、好きな相手に自分のことを受け止めてもらいたかったりと「for meの思い」であることも多いものですが、愛というのは、自然と自分の心の中に相手がいるようになり、ただただ相手の幸せを願い、喜ばせたくなる「for youの思い」です。

だから、「好きな人がいない時は恋愛をしない、でも、本気で好きになってしまったときはする」のであれば、問題ないと言えます。
逆に、そんなに四六時中、人を好きになる場合は、そこにあるのが“本当の愛”なのかどうかは疑問です。つまり、「むやみに恋愛をしない」のは、ある意味、普通のことなのです。
むしろ“恋愛至上主義で生きてきた上の世代”のほうが、問題があるところもあるのかもしれません。

漫画のあと、次ページに5つ目の意外な理由が!

【漫画】恋愛や結婚のない人生もいいもんだ
▼右にスワイプしてください▼

 
  • 1
  • 2