「世知辛い世の中」だとはいっても、いざ面と向かって意地悪をされてしまうと驚いてしまうものですよね。そんなときは頭にきて仕返しをしたくなるものですが、ちょっと待って!それでは相手の思うツボなところもあるのです。
意地悪な人と出会ったときにすべきことは何でしょうか?
 

意地悪な人に出会ったときにすべきこと1:意地悪な人の心理を理解する

 

意地悪をされたときは、相手がどうしてそんなことをするのかを考えてみたほうがいいでしょう。それによって、対処法が変わってくるからです。
一言で「意地悪」といっても、色々なパターンがあります。

基本、意地悪をする理由には、この3つがあります。
(1)腹の虫の居所が悪いから、八つ当たりしている
(2)嫉妬している
(3)<例外>好意があって、自分の存在を示したい

例えば、社内にいつもイライラしている上司がいて、部下たちの仕事にいちいちケチをつけてくる、なんてことがあるでしょう。この場合は、(1)です。
また、子供を持つお母さんであれば、仲良くしていた”ママ友”から、急に無視されるようになったなんて経験をする人もいます。その場合の理由は、(2)であることが多いでしょう。
逆に、小学生の男の子が好きな女の子をわざとからかう、なんて可愛い意地悪は、(3)で、これは悪意よりも好意ゆえの言動だと言えるでしょう。

基本、不特定多数の人に意地悪をするような人は、(1)が原因であることが多く、あなたに対してピンポイントで嫌がらせをする場合は(2)の可能性が高いです。
さらに、(1)と(2)で、共通していることがあります。それは、「心に闇を抱えている」ということです。
意地悪をしない人にとっては、意地悪をする人というのは、「どうしてこんなことをするのだろう?」と疑問に思うものですよね。なぜなら、わざわざ自分の貴重な時間と労力を使って、そんな“建設的ではない行為”をするわけですしね。しかも意地悪をしたからって、心がスッキリするわけではなく、モヤモヤするものです。

つまり、“意地悪な行為”というのは、「心に闇がないとできない行為」でもあるのです。逆を言えば、心穏やかな人は、頼まれたって意地悪なんてしたくないものですしね。

例えば、大人になってから学生時代の同窓会があると、意外にも「意地悪をしていた人」のほうが参加しないことも多いもの。それだけその人にとって「学生時代は地獄だった」ってことなんですよね。
もし、「人をいじめて、楽しかった!いい思い出がいっぱい」と思うのであれば、同窓会に来るでしょうしね。つまり、そういう人は、自ら自分の大切な学生生活を思い出したくないものにしてしまっているのです。

だから、もし意地悪をされたときは、「この人は今、心に闇がある“可哀想な人”なんだ」という認識をしてみるのもいいかもしれません。そうしたら、同じ土俵に乗って仕返しをしようなんて思わないでしょう。
 

 

意地悪な人に出会ったときにすべきこと2:意地悪な相手とは関わらない


意地悪をされたときは、その人となるべく距離を空けるに越したことはありません。逆に、仕返しをしたくなったときは、相手の“心の闇”を自分の心に移されたようなものです。だから、「仕返しをしない状況よりも、もっと悪い影響を受けていること」を理解したほうがいいでしょう。

基本、意地悪をする人がいたら、「関わらないで、自分で自分の機嫌をとる」というのが、被害を最小限にする賢い手段です。
自分の機嫌さえよくなれば、そんな人のことはどうでもよくなってきます。また、意地悪をする人は、自分のやることに相手が反応しないと、目的を果たせないので面白くなくなってきて、だんだん相手にしなくなってきます。

逆に、自分にひどいことをした相手に対して、仕返しをしてしまうと、またさらに相手に仕返しをされて、泥仕合になってしまうことは多々あるもの。
例えば、社内で意地悪ばかりを言う人に言い返して、そのときはスッキリしたとしても、会社では社員が協力し合わなくてはいけない仕事も色々とあるため、そんなときに手伝ってもらえなくて痛い目に遭う、なんてこともあり得るものです。
だったら、意地悪を言われても、さらっと交わしていたほうがいいことも。それに、そういう人は、色々な人に残念な言動をするので、そのうち自分の居場所はなくなってくるもの。だから、あなたが仕返しをしなくても、会社を辞めてしまうことも多々あるものなんですよね。

もちろん、だからといって、「ただただ我慢をして、泣き寝入りすること」を薦めているわけではありません。いじめがあまりにひどい場合は、具体的にどんなことをされたのかの記録や証拠を残して、もし勤め先のいじめであれば、社内の相談窓口や人事、上司、もしくは公的機関、弁護士に相談したほうがいいこともあります。
こういうときは感情的にならずに、理性的に動くことが大切です。さらに、「相手を苦しめるため(仕返しするため)」にやるのではなく、「平穏な日常を取り戻すため」にしたほうがいいでしょう。「相手への憎しみ」をもってやるのか、「自分の幸せ」を考えて行動するのかで、言動は変わってきますし、それに伴う結果も変わってきてしまうものですしね。
ただ、この場合は、“争う形”になるケースも少なくないもの。「争いによって得られるものは少ないもの」だということは、理解しておいたほうがいいでしょう。

そもそも、意地悪をされても誰も助けてくれないような環境だったら、その場所自体が「地獄」だと思ったほうがいいもの。つまり、そんな「地獄にしがみつく」必要があるのかは、よく考えたほうがいいでしょう。もしかしたら、新たに自分が心地よいと思える環境に移ったほうがいいこともあるのです。

それに、争いが続き、ストレスによって心身を壊してしまったら、自分が損です。“体が資本”なので、体調が悪くなったら、なにをしても楽しめないですしね。
私たちは“囚われの身”ではないので、自分のいる場所を自分で選ぶことができます。だから、異動願いを出すなり、転職するなりして、その環境から離れ、意地悪な相手と関わらなくするのは、決して悪い選択ではないし、「負け」でも「逃げ」でもないのです。むしろその地獄のような環境を抜け出したことで、“自分に合った幸せな環境”を手に入れる人も少なくないですしね。
 

意地悪な人に出会ったときにすべきこと3:意地悪な相手の“よき理解者”になってみる


これは、難易度の高い方法ではありますが、意地悪をする人に対して、“よき理解者”になることで、嫌なことをされなくなることもあります。
人は自分の敵だと思う相手には厳しい態度をとりますが、味方だと思う相手に対しては嫌われたくないので、優しい言動をするもの。だから、相手が望んでいることをよく理解し、協力してあげることによって、仲が良くなることもあるのです。
例えば、ある女性社員は、手柄を横取りばかりする上司に対して腹を立てていたのですが、あるときから相手の立場に立って、相手の気持ちの寄り添った言葉をかけるようにしたら、その上司がどんどん自分に協力的になっていったそうです。

人に意地悪をする人は、孤独や悲しみ、劣等感を抱えていることも多いもの。そこに寄り添ってあげられると、相手が心を開き、自分に対していい人に変わることもあるもの。それだけ、大きな意味での「愛」は最強だということなのでしょう。
ただし、意地悪をする人の心の傷は根深いことも多いので、簡単な話ではありません。最終的には、本人が「自分で自分の劣等感を解消する」必要があり、それは他の人にはどうすることもできません。
だから、試す価値はありますが、相手が変わることを期待し過ぎないほうがいいでしょう。
 

意地悪な人に出会ったときにすべきこと4:意地悪な行為から“立ち直れる人”になること


人に意地悪をされると、ずっと引きずってしまう人がいます。それでは相手の思うツボです。だから、立ち直れる人になる必要があるのです。
立ち直るためにも、その意地悪な人、もしくはその環境から早く離れたほうがいいですし、そのために必要なのは、「自立心」です。嫌な相手や、その人がいる残念な環境に依存をしなくても大丈夫な人になったほうがいいですし、日頃からどこででも生きていけるだけの力を付けておくことは大切です。

例えば、ある女性社員は、社内の上司に意地悪なことばかり言われていました。しかも、社内の人はみんな見て見ぬふりをして助けてくれない環境でした。
そこで彼女は、勇気を持って会社を辞めて起業し、会社員のときよりも自由で幸せな環境を手に入れました。今では、前の会社での出来事は、“自分が起業することを後押しするためのいいきっかけ”になったと、前向きに捉えているそうです。

ちなみに、立ち直るためにも、意地悪をした相手を“恨まない自分”でいることも大切です。恨んでしまっては、自分の心が闇に落ちてしまいますしね。許す必要まではありませんが、「自分の人生とは関係ない人だ」と思えるようになるといいでしょう。
今、幸せな人は、人を恨みません。なぜなら、今の幸せは、そうした色々な出来事によって手に入れたものだからです。だから、いつでも「今、幸せな人」になる必要があるのです。そのためには、他人や環境のせいにしないで、“自分で自分を幸せになる力”を持つことが大切なのです。
 

自分が幸せになるための手段を選択すべし!


ここまで、意地悪な人に出会ったときにすべきことを4つ紹介しました。意地悪な人に対して、離れるのか、仕返しをするのかによって、未来は変わってしまうものです。
自分の心に闇を増やしてしまったら、意地悪な人と同類だといっても過言ではありません。どうせなら、“自分が幸せになれる方法”を選択したいものですね。
 

【漫画】上司に意地悪されていた彼女の現在
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