「がむしゃらに頑張ること」は、だんだん時代錯誤になってきているようです。某ファーストフードのCMでは、先輩社員役の木村拓哉さんが「諦めるなよ、急いで資料作れば」と言うと、後輩社員役の仲野太賀さんが「(そういうのは)時代錯誤だと思います」と言い放つシーンが話題になりました。
現代では、「がむしゃらに頑張ることが時代錯誤」だと言われる理由は何でしょうか。また、頑張る代わりにどうすることが大切なのでしょうか?
 

ただ頑張ることが時代錯誤だと言われる理由1:安請け合いしないことが大切だから

「がむしゃらに頑張ることが時代錯誤」だと言われる4つの理由_img0
 

仕事において、無理をしてでも相手の要望を引き受けることが誠意だと思い、結局、後になって「できませんでした」と謝る人は意外といます。でも、そんなことをしてしまったら、相手に期待をさせた分、がっかりさせてしまいますし、時間も無駄にして迷惑をかけてしまうこともあるものです。

特に新人の時は、自分の能力がどれくらいなのかも分からないまま、ただやる気と気力だけで「頑張ります!」「なんでもやります!」とがむしゃらに頑張ってしまうこともありますが、むしろ駆け出しの時にこそ、できなそうなときは、安請け合いをしない勇気を持つことは大切です。
もちろんただ「できません」と言ったら、「やる気がない!」と上司に怒られるでしょうが、理由をきちんと伝えて、その上でどうしたらできるのか、きちんと相手と相談して折り合いをつけて、できそうな目処が見えてから引き受けるのは、仕事の基本ですよね。

だから、例えば先述のCMにおいても、「明日までに資料を作ります!」なんて安請け合いをしないで、「明日までだと、このデータが揃わないので、○日まででも大丈夫でしょうか?」など、色々と理由をつけて、締め切りを伸ばすためのお伺いを立てる必要もあったわけなんですよね(※あくまでも、CMの話ですが・笑)。

特に“義理人情以上に、結果が評価されることが少なくない(世知辛い)現代”では、たとえ相手のことを思って「やってあげたい」という思いやりの感情が沸いたとしても、理性を持って、きちんと「それが実現可能か」を考えることが大切なんでしょうね。

 


ただ頑張ることが時代錯誤だと言われる理由2:心身を壊したら、元も子もないから


個人差はありますが、誰にでも体力の限界はあります。だから、気力だけで頑張ってしまうと、後になって心身を壊してしまうこともあるもの。そうしたら、やりたかったことが、むしろできなくなることもあります。
体が資本なので、まずは心身が健康でいられるようにすることが、なによりも重要なのです。

それだけでなく、例えば仕事の資料を作らなくてはいけない時でも、眠たくて疲れているときに、ただただがむしゃらに頑張っても、頭が働かないでしょうし、いい内容にはならないので、ある程度の時間の余裕は大切です。
特に、現代の若者は「効率の良さ」を優先する人も多いので、トータル的に見て、いい結果になる方法を考えて、実行することを望むもの。だから、ただただ後先考えずに頑張る行為は、「無駄な努力をしている」ように見えてしまうところもあるのでしょう。

さらに言えば、「過程」よりも「結果」が評価されやすい世の中になってきているので、いくら寝不足になって、がむしゃらに頑張った「過程」があったとしても、いい結果にならなければ、評価されないことも少なくありません。
そうだとしたら、頑張る、頑張らない、というのは、どうでもいいことで(※それは個人的なことであって、相手にとっては関係ないこと)、「いい結果にするためには、どうするのが最適なのか」を考えることが重要だということなんですよね。

それで言えば、私たちの人生にも言えることで、“トータル的に幸せでいるため”には、できることなら、心身が健康であることに越したことはありません。体が不調だと、何を食べても美味しくないし、何をしても楽しめないもの。いくら出世しようが、お金持ちになろうが、それではつまらないですしね。
だから、私たち自身も、目先の仕事だけに囚われるのではなく、“人生というスケール”でものを見るようになることが大切なのです。
 

ただ頑張ることが時代錯誤だと言われる理由3:時には諦めることも大切だから


昭和の時代の男性は、「女は押して落とせ」的な感覚があり、フラれても、何度でもチャレンジするのが男らしさだと思っているところもありました。でも、現代では気を付けないと、ストーカー扱いをされることもあるものです。
頑張ることは大事ですが、世の中には、努力だけではどうすることもできないこともあります。そんなときは、「諦めること」が大切です。
諦めるというのは、「自分の願望(欲望)を抑えること」でもありますが、これができない大人は意外と少なくありません。力ずくでなんとかしようと思う人までもいます。

特に恋愛では、「片思いの相手を諦められない」「別れた恋人に未練を抱いている」などで苦しんでいる人は、男女問わず多いもの。それで、何度も愛の告白を試みては、フラれることを繰り返してしまう人もいます。
恋愛における“押しの行為”というのは、人によっては、単に“自己愛”を押し付けているだけのこともあります。「僕(私)はこんなにあなたのことを好きなのだから、あなたも僕(私)を好きになって!」というのは、“自己中の発想”でもありますしね。
逆に、“本当の愛”を抱いていれば、「相手のことを愛しているからこそ、相手がそばにいたくないのであれば、離れてあげよう」と思えるもの。つまり、愛があるから、相手の思いを尊重してあげられるのです。

だから、恋愛の場合は、ただただ相手を振り向かせようと“頑張る”“頑張らない”ということ以上に、「本当の愛を持てるようになること」が大切なのかもしれません。それが「相手の気持ちを尊重し、諦めること(=ただただ相手を落とすために頑張らないこと)」につながりますしね。

そういう点も踏まえ、これまでは「諦めないこと」が美徳なところもありましたが、現代は、場合によっては「諦めること(自分の欲望を抑えること)こそが、大人である」という見方もあるのかもしれません。
 

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【漫画】がむしゃらに頑張らないがトレンド
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