世の中“人生100年時代”。100分の40を過ぎた筆者は、「いつまで働けるのか?」という不安をリアルに感じるようになってきました。お金に困りたくないし、老後貧乏にはなりたくないものの、お金も、お金の知識も、圧倒的に足りない……! そんな、不安は人一倍あるのに絶望的に“お金オンチ”な筆者に光を与えてくれたのが、 経済評論家・加谷珪一さんの著書『お金で絶対に苦労しない方法を教えてください!』(プレジデント社)です。将来に不安を抱える女性・西園寺花子さんに、加谷さんがお金の講義を行うという会話方式で構成される本書は、人生にまつわるお金の問題について、明快にわかりやすく教えてくれる一冊。スイスイ読んでいるうちに、いつのまにかお金の知識が大幅アップデートできるという優れものなのです。そんな本書から今回は、「老後のお金に困らない」方法について一部ご紹介します!

【iDeCoはやるべき?】“老後貧乏”を回避する人生100年時代のマネープランとは_img0
 


【人生のお金のギモン①】
老後のお金に困らない人の特徴って?


加谷珪一さん(以下、加谷):世の中には、特別に恵まれた環境に生まれ育ったわけではないのに、きっちり資産を形成できる人がいます。例えば、会社の同期を思い浮かべてみましょうか。西園寺さんは今、入社何年目ですか? 失礼ながら年収は?

西園寺花子さん(以下、西園寺):えーと、新卒で入って今年6年目で、年収は額面で330万円です。入社してから少しは上がっていますが微々たるものです。

 

加谷そうすると、同期の仲間と給料の差はほとんどないでしょうし、おそらく貯蓄額にも、まだ大きな差はついていないでしょうね。ところが、同期入社同士でも、40代とか50代になってくると、経済状態がずいぶん違うケースが出てくるんですよ。

出世したかどうかで給料の差は多少ありますが、日本型の企業であれば、良くも悪くも何倍もの差がつくことはありません。それにもかかわらず、なぜお金に余裕がある人とそうでない人に別れてしまうのか。それは圧倒的にお金の使い方の違いです。

お金の使い方がうまい人は、「欲しい」と思ったものに散在してしまうのではなく、本当に「必要」なものだけを買います。ムダな出費をしないため、必要なときに必要なお金がちゃんと手元に残っているんですね。生活に余裕があるから投資もできて、ますます資産が増えていくという好循環になってくるんです。私はこれを「お金と仲良くなれる生き方」と読んでいます。

西園寺お金と仲良く、ですか?

加谷そうです。一方で、お金の使い方がヘタな人は、たいてい無駄遣いが多くて、ちょっと生活が派手だったりするんですよね。お金と仲良くできずに、お金に逃げられ続ける一生を送っている。

こういう生き方の違いが、5〜6年であれば大した差になりませんが、10年、20年と積み重なって、中高年になる頃にはとてつもなく広がっていき、「準富裕層」と「中間層の一番下」ほどの開きが生まれます。そうなってから慌てても、もう後の祭りです。