加谷:お金が貯まるかどうかと年収額は、思ったほど大きな関係はありません。「欲しい」と「必要」の区別ができる人は、年収が300万円程度でも十分に貯金ができ、お金に不自由しない生活ができますし、その区別ができなければ、収入が高くても、あっという間に使い果たしてしまいます。年収は1000万円なのに貯金がゼロという人もザラにいますよ。
後で泣きを見ないように、「欲しい」と「必要」を区別できるかどうかによって、生涯資産にものすごく大きな違いが出ることを、ぜひ肝に銘じておきましょう。
【人生のお金のギモン②】
「人生100年時代」に安泰なマネープランなんて存在するの?
西園寺:そんなこと言われたら、ますます不安になってきます。だって、人生100年時代なんですよね? 定年を延ばそうという話も聞きますが、いくら延ばしたところで余生がずいぶん長いですよ。運良く健康で長生きできたとしても、お金が底をついてしまって、極貧の老後なんて想像したくもありません。100歳まで安泰なマネープランってないんですか?
加谷:安泰なマネープランというのは確実にありますよ。お金のことを長期的な視野で考える場合、「フロー」と「ストック」という2つの面から見る必要があります。
まずフローというのは、流れて入ってくるお金、つまり西園寺さんのような会社員であれば給料のことです。逆に、使って手元からなくなってしまう金額も併せてフローと考えます。もし支出が収入の範囲内に収まっていれば、余剰が生まれます。その余剰を積み上げていったものがストックです。
このフローとストックの関係は、企業の会計でいえば、一定期間の経営成績を示すPL(損益計算書)と、財政状態を示すBS(貸借対照表)との関係のようなものです。企業にとっては、PLとBSの2つをコントロールするのが非常に大事なわけですが、これは個人にとってもまったく同じなんですね。
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