副反応と有害事象


皆様は、「副反応」と「有害事象」という言葉の違いをご存知でしょうか。ここで、これらの言葉の意味についても確認をしておいていただければと思います。

「有害事象」というのは、ワクチン接種を受けた後に起こる健康上の全ての不具合を意味します。例えば、ワクチンの成分に対するアレルギー反応も有害事象ですが、ワクチン接種後につまずいて転んでしまい骨折した事例も有害事象。すなわち、因果関係を問いません。

一方、「副反応」というのは、ワクチンと因果関係のある有害事象のことを指します。例えば、先ほどご紹介したワクチンに対するアレルギー反応もそうですし、注射部位の痛みなどもこの「副反応」にあたります。

有害事象と副反応の関係を図で示すと、このような関係性になります。

「ワクチン接種後の死亡事例」報道をどう理解するか_img0
 

これらの言葉を用いて、実際の報道を振り返ってみたいと思います。

 

首相官邸は、3月2日付で、「新型コロナワクチンの接種後の死亡事例」の報告を出しました。公式SNSアカウント で「副反応疑い報告は、国がワクチンの安全性の評価を行うために、ワクチン接種によるものではない偶発的な症状も含めて、広く収集しているものです」としています。

すなわち、あくまで「有害事象」の一つを報告しているにすぎず、「副反応」かどうかはわからないということを伝えています。

また、死因と推定される「くも膜下出血は、海外での治験や接種事例でも、新型コロナワクチンとの関連は認められていないとのことです」とも報告をしています。

もちろん関連性を100%否定することは現時点では難しいものの、血管に起こった病気とワクチンの仕組みの関連性や、国外での報告を元に考察をすると、因果関係のある可能性は低いと考えることができます。言い換えれば、重要な有害事象報告ではあるものの、副反応の可能性は低いのでは、ということです。