もし、あなたが便利なキッチンを手に入れたいと考えるならば、まずやるべきは食洗機を購入し、サイズを把握することです。そして、それに合わせて皿や道具を購入していけば、最高の効率でキッチンを使うことができます。

このお話はひとつのハックであると同時に、もうひとつ極めて重要な概念を含んでいます。それは、何かを便利にしようと思ったら「根底からつくり替える」のが多くの場合一番手っ取り早いということです。

人は、「毎日なんとか頑張って皿テトリスをクリアした状態」を問題の解決と認識してしまうところがあります。しかし、それはただ単に問題が見えなくなっただけです。形のそろわない皿をテトリスみたいに食器棚に詰め込んでも、それは問題を一度見えなくしただけで苦しみはまた襲ってきます。皿テトリスをしなくていい状況こそが問題の解決だということを、ぜひ覚えておいてください。これは、キッチンの話だけではなくあらゆる場所に応用できる考え方です。

あなたの生活はあなたが変えられますし、あなたの人生はあなたが変えられます。その手ごたえをあなたが手に入れるささやかな手助けになれば、それは僕にとって本当に幸せなことです。


キーファインダーにエブリデイボックス……著者愛用のライフハックツール
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著者プロフィール
借金玉(しゃっきんだま)さん:
1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻。2000万円の借金を抱える。飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)がある。
【Twitter】syakkin_dama
【note】https://note.com/syakkindama

 

『発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』
著者:借金玉 ダイヤモンド社 1500円(税別)

大学時代に発達障害と診断された著者が、たくさんの失敗と挫折を経て生み出した「どうにか生きていくコツ47」を収録。指南するのは、お金、生活環境、在宅ワーク、服、食事、うつなど多岐にわたります。生きづらさを感じるすべての人に新たな発見をもたらしてくれる、超実践的なメソッドが満載の一冊です。


構成/金澤英恵