医師が薬を出す理由


ただし、「十分科学的な根拠がない」というのは、必ずしも「無効である」ことを意味する訳でもありません。

もしかすると本当に効いているのかもしれないし、でも効いていないかもしれない。それが「分からない」ということを意味しています。

では、なぜ医師は有効性も分からない薬を出すのでしょうか。

少なくとも薬に「治癒を早める」ことを期待しているわけではありません。医師が薬を出す理由は、薬を飲んでいる間、薬が症状を軽くしてくれる可能性を期待しているから、です。

実際に、風邪薬を飲んで、症状が軽くなったという経験をした人もいるでしょう。それこそが風邪薬を飲む理由です。逆に言えば、症状が軽いうちから「予防で」飲む意味はないということです。

また、「いろんな薬を出してくれるお医者さんが良いお医者さん」では必ずしもないということも知っておいてください。

風邪で病院にかかり、たくさんの薬をもらうことに慣れた人にとっては、薬を一種類だけ出す医師は「悪い医師」に感じられるかもしれません。でも、実際にはそうではありません。

この記事は2021年4月8日に配信した人気記事の再掲載です。

 


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