西山:5年も10年も、ずっと同じ契約プランだという方もいます。 最近はWiFiが整ってきていますし、在宅勤務の人もいると思うので、まさに見直しどきですね。

正田:はい、ものすごく大きなデータ容量で契約したままで、1万円台という方も多いのではないでしょうか。そういった方は「格安スマホ(格安SIM)」にする以外にも、実は、プランを見直すだけという選択肢もあるわけです。

ただし、その毎月の料金に、スマホ端末の分割払いが含まれているケースなら要注意です。プランを見直しても、分割払いの金額は変わらないので、それほど安くはならないでしょう。でも、分割払いが終われば、毎月の料金は安くなります。

西山:料金を比較するときは、端末の分割払いの分をのぞいてから、比較することが大切ですね。

正田:そうですね。ちなみに、分割払いが残っていても、スマホを乗り換えることもできるんですよ。
電気通信事業法の改正で、「スマホの代金と、回線の料金は別にしてください」というルールになり、2019年6月から別々で支払うことも可能になりました。他社に乗り換えたら、以前契約していた会社で端末の分割払いだけをしながら、新しい会社で回線の料金を払う、というイメージです。

この方法にする人はあまりいないので、窓口担当者から「えっ?」と驚かれるかもしれませんが、制度としては可能です。

 


「2年縛り」についてはどう考えればいい?


西山:また、いわゆる「2年縛り(今後2年間契約するという約束のもと、割引がされている。その2年間のうちに解約をすると、違約金が必要)」について、気になっている方も多いです。

正田:こちらも法改正によって“2年縛り”に対する違約金の上限が1100円に下がりました。2019年10月ごろからの契約では、違約金が安くなっているか、2年契約自体がなくなっています。
ただし、2019年9月以前に契約していると、この“2年縛り”が残っているケースがあるので要注意です。契約更新の際に「2年ごとの契約」になり、ずっと“2年縛り”が続いている場合があるのです。

auとソフトバンクの場合は、新しいプランに移行することで、“2年縛り”がなくなるか、違約金が1100円に下がります。
この春リリースされて話題になっている、auの格安プラン「povo」と、ソフトバンクの格安プラン「LINEMO」なら、そもそも“2年縛り”がありませんので、例えば今auで2年縛りがある人で、一度「povo」に乗り換えれば、違約金がなしか、1100円で済みます。そこから、さらに乗り換える場合は違約金がなしになるというわけです。

西山:では、ドコモの場合は……?

正田:ドコモから、格安プラン「ahamo」にする場合は違約金が不要なのですが、それ以外のプランにする場合は、人によって契約が異なりますので確認してみてください。
ドコモでは、契約更新でドコモポイントを3000ポイントなど(キャンペーンなどによって異なる)もらえますが、契約更新をすると、2年縛り(2年契約)が再び続いてしまうケースがあるので、事前にしっかり確認しましょう。

西山:「長期間同じスマホ会社だとお得」というイメージがありますが、最近はそうでもないのですね。

正田:はい、そうなんです。最近は、1社と長く契約しているからといって、大きなお得になるケースはあまりみられません。もし、「2年契約」によって3000円分のポイントがもらえたとしても、他のプランや他社などに乗り換えることで、月に1000円や2000円安くなるのであれば、その方がお得といえるでしょう。