西山:次に、ドコモの格安プラン「ahamo」はいかがでしょうか。

 

正田:「ahamo」は、ドコモから出ていることによるメリットがありますね。
ドコモは、他の大手キャリアに比べて、電波が比較的入りやすいのが有利です。
他社では、例えば「自分の家の奥の部屋になるとつながらない」ということがあるかもしれませんが、ドコモはそういったことは少ないですから。

西山:スマホからオンラインセミナーやライブを見る、ということも増えてきた今、「つながりやすさ」の重要度は増していますね。

逆にいうと、会社を超えて乗り換える場合は、「使いたい場所でつながるか」ということを、実際にその場所で使っている人に聞いておきたいですね。

正田:そうですね、せっかく20GBと大容量の契約になって、「いざ使うぞ!」という際に、使いたい場所で圏外だったら困りますから。

また、以前の記事でもお伝えしましたが、「家族割引」の点で「ahamo」
は有利です。auの「povo」、ソフトバンクの「LINEMO」では、家族割引の1回線としてカウントしてもらえませんが(ただし、auは夏までに契約した人限定で家族割引を受けられる)、ドコモの「ahamo」は、家族割引の1回線としてカウントしてもらえます。

 


LINEMOの場合は……


西山:では、ソフトバンクの格安プラン「LINEMO」はいかがでしょうか。

正田:LINEを使う際には、20GBの契約データ容量が減らないことや、LINEスタンプなどが無料で入手できる(上限あり)という点がメリットでしょうか。

「LINEMO」は注意点がありまして、ドコモから「ahamo」、auから「povo」は、(古い契約でなくここ数年の契約なら)基本的にSIMカードの差し替えをしなくて乗り換えができるのですが、ソフトバンクから「LINEMO」に乗り換えるときだけは、システム上の問題で、「SIMロック解除」や「SIMカードの差し替え」が必要になるんです。

西山:同じソフトバンク内で、料金プランの変更という扱いでも、SIM関係の手続きが必要なんですね……。

正田:はい、そこがネックですね。他社に比べると、乗り換えるハードルが高いと思います。

西山:ちなみに、この3社の格安プランにした場合、つながりやすさというのは変わるのでしょうか。

正田:ほぼ今までと変わらないと思います。それが今回のプランの最大の“売り”でもあります。ただ、以前は「格安スマホ(格安SIM)にすると、つながりにくい」という話をよく聞いたと思いますが。最近は一部のところをのぞけば、改善されてきています。

例えば、昼休みの30分程度など、たくさんの人がつなぐ時間帯は、速度が遅くなる可能性がありますが、動画を見ていて「ちょっと画質が悪いかな」くらいで済むことが多いですね。それでも、その速度低下も気になるようなら、今回の大手3社の携帯格安プランはいい選択肢だと思います。


正田拓也  Takuya Shoda
アスキーやImpress Watch記者などを経て、フリーライターとして独立。携帯電話料金やサービス、市場の流れやトレンドのほか、IT関連、自動車業界のライターとして活躍。PC全般からはんだごてを使った自作系、通信系までで、ハードからソフトまで幅広くカバーしている。ASCII.jpで『格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す!』を7年間連載中。主な著書に『あなたと家族のスマホ代がサクッと半額以下になる本』(インプレス)他。

取材・文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)


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第2回「なんだか分かりにくい...大手3社の格安プランって正直どうなの?【ahamo、povo、LINEMO解説】」はこちら>>

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