つらいことや嫌なことがあっても、モヤモヤした気持ちを発散できず、心の奥底に溜め込んでしまうのはよくあることです。友人と食事したり、思いっきり買い物したり、気分転換に旅行に出かけたりすることもままならない今は、なおさらかもしれません。そんな時は、おうちで簡単にモヤモヤを解消できるヨガがおすすめ! その名も『たった10秒で心をほどく 逃げヨガ』です。瞑想・ヨガ講師を務める著者のTadahikoさんによると、そもそもヨガとは「勝手な思い込みや決めつけから解放されること」なのだそう。本書で提唱する「逃げヨガ」は、いつの間にか背負い込んでしまった心配や不安を手放し、「本当の自分に帰る」ための“心の緊急避難所”だと語ります。そこで今回は、心がつらくなった時にたった10秒で実践できる「逃げヨガ」4つを、Tadahikoさんが贈る励ましと癒しのメッセージと共にご紹介します!

 


Tadahikoさん:学童期から人間の心理に興味があり、多数の書物に触れる。ある時期に自分自身の基本的な考え方、捉え方に共通するものをヨガの中に見出す。大手ヨガスタジオにてトレーニング講師を担当。また某ヨガスタジオのプログラム監修やオーディション審査、指導者の研修指導などを行う。瞑想、禅、ヨガ、タオ、タントラ、スーフィーなどを日々学び、多面的に人を捉え、穏やかで落ち着いたひとときを提供している。オンラインクラス、パーソナルレッスン、瞑想コースなどを行っている。
【HP】TADAHIKO Yoga&Meditation 【blog】タダヒコblog 【Instagram】@tadahiko.yoga.meditation

あなたは今までの人生、「進む」ことばかりをよしとしてきませんでしたか? 「逃げたい」「休みたい」と口にしようものならば、人生の落伍者という烙印を押され、「幸せにはなれない」のだと……。あるいは、誰からも「嫌われてはならない」というようなマイルールに縛られ、心ががんじがらめになってはいなかったでしょうか。たった今の瞬間まで、世間も親も学校も、あなたに進むことだけを教え、誰ひとりとして「逃げろ」とは教えてくれなかったのではないでしょうか。

 

しかし、「逃げる」のは決して現実逃避でも、落ちこぼれがすることでもありません。むしろ「逃げる」のは、心配と不安ばかりの人生から抜け出し、本当のあなたの「今、ここ」に帰ることになるのです。

僕のヨガは「逃げる→立て直す→踏み出す」という3つのステップで構成されています。今回ご紹介するのは「つらいことから今すぐ逃げる」ヨガ。
いつでも、どこでも、誰でもできるーーそう、体の硬いあなたこそが楽になるヨガです。何を隠そう、僕自身も、ヨガの世界では「体が硬いほう」と言われています。競わず、争わず。ただ、自分を見つめ、向き合う。それこそが、ヨガなのです。

<まずは呼吸の基本から>
ヨガにおける呼吸の基本は、「鼻から吸って、鼻から吐く」ですが、難しければ「鼻から吸って、口から吐く」でもOK。まずは息を吸いたいだけ吸って、細く長く吐き切ることを心がけましょう。ゆったりとした呼吸を繰り返すと自律神経に作用し、副交感神経がオンとなって心身ともにリラックスします。特に、落ち込んだ時ほど呼吸を意識すると効果的。息を吸って、吐いていることに気付き、集中することで、悩みやつらい気持ちから避難できます。
「逃げヨガ」は、押さえつけられて小さくなっていた心身のスペースを、深い呼吸とシンプルなポーズで取り戻し、生きる力と自由を手に入れるものです。
まずは10秒でOK。体の声を聴きながら、お試しください。

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ビデオ会議中もこっそりできる! 超お手軽「ながら逃げヨガ」
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