飛行機に乗ったら、機長は女の人だったーーそんなことが、これからアメリカでは増えていくかもしれません。ユナイテッド航空は、今後自社が養成するパイロットの半分を女性と有色人種にすると発表したのです。

現在、ユナイテッドのパイロットに占める女性の割合は7%、マイノリティは13%。この現状を是正すべく、ユナイテッドは、今月上旬、傘下のフライトスクール、ユナイテッド・アビエート・アカデミーで2030年までに養成する予定の候補生5,000人の半分が女性または有色人種で構成されるようにすると決定しました。2021年度の募集は100人。卒業生にはユナイテッドでの雇用が保証されています。

パイロットのトレーニングプログラムには平均10万ドル(およそ1,000万円)がかかるとされますが、経済的な問題を抱える候補者のために、授業料の全額あるいは一部を援助する奨学金制度も設立したとのこと。この奨学金には、ユナイテッドとJPモーガン・チェイスがそれぞれ120万ドルずつ貢献するそうです。

ユナイテッドのCEO、スコット・カービーは、「現状、パイロットになりたい人は、軍隊に入ってトレーニングを受けるか、お金をたっぷり持っていなければなりません。私たちは、それができない人たちに、すばらしいキャリアを築くチャンスを与えたいのです」とコメントしています。

ユナイテッド航空の今回の取り組みでは、経済的に問題を抱えるパイロット候補者に奨学金制度も用意される。photo by NextNewMedia / Shutterstock.com
 

ダイバーシティ、インクルージョンが目標とされているアメリカで、この発表は非常に好意的に受け入れられました。パイロットは高収入で、(コロナのような特別の非常時がないかぎりは)安定した資格職。いろいろな都市を、文字通り飛び回ることができる、楽しそうで、尊敬される職業でもあります。一部の人だけにしか開かれていなかった扉がもっと多くの人たちに向けて開かれるのは、とてもポジティブなことです。

 
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