ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、晩婚を叶えた男性側にお話をお伺いしました。
イケメンなのに、なぜ晩婚?
少し前に「AK男子」という、A=あえてK=結婚しない男子というドラマがありましたが、イケメンなのに婚期が遅かった男性というのは、どういう理由で結婚しないのか興味があります。
いわゆるハイスペックと言われる男性においては、すべて自分でまかえてしまうためにいくらでも女性が寄ってきても結婚しないタイプも居るようですが、今回取材した郁弥さんはそうではなく、イケメンなのに結婚できる自信を失くしていたと言います。
実際お会いしたところ、シュッとしたハンサムで爽やか。人当たりも柔らかいしコミュニケーション能力も高いし、と、結婚できなそうな理由がどこにも見当たらないのですが、一体彼はなぜ、45歳まで独身だったのでしょう。
今回はそんな、晩婚男性の実態をご紹介したいと思います。
さかい:そもそも、郁弥さんに結婚願望はあったんですか?
郁弥さん:若い頃は普通にあったんです。だけど30代後半くらいからかな、自分に自信を失くして、結婚も彼女もできる気がしなかった。
現在はショップ店員の郁弥さんですが、20代から芸能事務所に所属していた時期があり、同じ事務所所属のタレントの卵の女性と9年間交際。
さかい:そのとき同棲はしなかったんですか?
郁弥さん:毎日一緒には居たけど、夜になったら僕は家に帰ってました。僕は結婚するまでほぼ実家暮らしだったのですが、両親は物心ついたときから不仲で。その当時にはすでに離婚していて、弟はすでに結婚して家を出ていて、僕と母とのふたり暮らし。母をひとりにする気になれなかったんですよね。
聞けば、郁弥さんのお母様は、昔から郁弥さんを溺愛し、息子が彼女とデートや泊まりで出かけることにいい顔をしなかったそう。夫婦仲が悪いと、母親が子供に依存して子供がいわゆるアダルトチルドレン(機能不全家族で育った子供のこと)になってしまうケースも……と言われますが、どうやら郁弥さんにもその傾向があった様子。以前取材したゆかりさんと、少し似た家庭環境なのかもしれません。
郁弥さん:両親は、仲がいいときもあるのですが、とにかくしょっちゅうケンカばかり。酷いときは3ヶ月も口を聞かなかったこともありました。
さかい:それは子供の立場としては辛いですね……。
郁弥さん:そういうときの家の空気がたまらなく嫌でしたね。2つ違いの弟が居るんですが、母のお気に入りは僕。弟の方が父に反発心があったこともあって、自立も早かったんです。
長男という責任感から、常に母を守らなければという気持ちがあった郁弥さん。大学時代に芸能事務所に入ったのも、お父様が急病で倒れ、家計を助ける為でした。
そして郁弥さんが社会人になったタイミングで、父親は家を出て、長く交際していた愛人女性と再婚。
そんな家庭で育った郁弥さんが結婚にいいイメージを持てなかったであろうことは、容易に想像がつきます。
ですが彼が自分に自信を持てなかったのはその家庭環境の影響だけではなく、もうひとつ、彼の身体機能の不調にありました。その不調とは、30代半ばから始まったという、ED。
とっても気になるそのお話は、次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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