美智子さまの断捨離「元は2トントラック100台分...膨大な思い出の品の整理」

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できていたことは「授かっていたもの」、できなくなったのは「お返ししたもの」


天皇陛下(上皇さま)の生前退位にともなって、美智子さまが上皇后となられて1年半たったころのことです。86歳になられた美智子さまは、前年の9月に受けられた乳がんの手術ののち、ホルモン療法の影響もあり左手指が動かしにくくなってしまいました。

美智子さまは、子どもの頃からピアノが大好き。夏のご静養のときにもミニコンサートにご参加されるなど、ずっと音楽を楽しんでこられました。
仙洞仮御所に移られたら、新しい曲を弾こうと楽しみにされていたといいます。

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ピアノの演奏後、笑顔をみせる美智子さま。2019年8月28日、草津音楽の森国際コンサートホールで行われた「第40回草津夏期国際音楽 アカデミー&フェスティヴァル 」にて。写真/宮内庁提供

ところが、左手指が自由に動かせないため、お好きなピアノを弾くのが難しくなってしまったのです。

 

そんななかでも美智子さまは、

「今までできていたことは、『授かっていたもの』。それができなくなったことは『お返ししたもの』」

と、穏やかに受け止められ微笑まれているといいます。長い人生の終わりに来るものを受け入れるお気持ちを、私たちもお手本にしたいものです。

文/高木香織
ヘッダー写真/JMPA/光文社

 

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『美智子さま いのちの旅 ―未来へ―』
講談社 価格1650円(税込)
渡邉みどり著

30年に渡る、上皇さまと美智子さまの最後の大仕事「終い方」に向けたあゆみをまとめた一冊。昭和天皇崩御と喪儀、即位といった一連の儀式のためにかかる莫大な経費と国民の自粛による経済への大きな影響に驚いた美智子さまは、終い方に向けての取り組みを始めました。家族会議を開き、国会を動かして法改正し、墓陵のかたちを決め、上皇さまの生前退位を実現したのです。著者は、日本テレビ放送網のプロデューサーとして美智子さまのご成婚パレードを取材し、昭和天皇の大喪の礼では総責任者として陣頭指揮をとった皇室ジャーナリストの渡邉みどりさん。国民にとっても学べることが多い内容です。

第1回「美智子さまの終い方「30年前、即位の時の異例の発言」とは?」>>
第2回「美智子さまの「生前の遺言」国民の負担にならないお墓と葬儀とは?」>>
第3回「30年の年月を経て...上皇陛下と美智子さま「生前退位の日」一礼に込めた想い」>>
第4回「陛下と美智子さまが自ら準備する葬儀とお墓「400年ぶりの火葬で国民に負担なく」」>>

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