この春、ドコモから格安プラン「ahamo」が出てきたニュースを見た人もいるでしょう。「そろそろスマホを見直したい」という思いが高まっている人も多いはず。

では、「スマホと子ども用ケータイ」を持っている家族4人の場合、どのように見直ししたらいいのでしょうか。
その具体的なコツや注意点について、『あなたと家族のスマホ代がサクッと半額以下になる本』(インプレス)などの著書があり、携帯電話・スマホのハードからソフト、トレンドまで幅広く精通しているフリーライターの正田拓也さんに、マネーコラムニスト西山美紀が伺いました。

 

※情報は、掲載日時点での内容です。変更がある場合がありますので、詳細は各社のHPでご確認をお願いします。

西山:今回、夫婦と子ども2人の4人家族が実際に携帯のプランを見直す場合の具体的なコツについて正田さんに伺いたいと思います。

夫婦と子ども一人がスマホ、もう一人の子どもが子ども用ケータイの場合を例にします。
一般的には、大手キャリアのスマホの場合、1人1ヶ月あたり8000円ほど、子ども用ケータイが同じ携帯電話会社で550円くらいという家庭が多い印象です。
スマホの3台については、「プランを何年も見直していない」という方も多いと思います。その場合は……?

 
 

正田拓也さん(以下敬称略):まず、子ども用ケータイですが、保護者が違う携帯電話会社に乗り換えても、auとソフトバンクの場合は、子ども用ケータイを単独で残せます。

一方で、ドコモの場合は、保護者のスマホを乗り換えた先が、ahamoを含めたドコモ内のプランでないと、子ども用ケータイの契約を続けられないので要注意です。

また、ドコモの子ども用ケータイには「イマドコサーチ」という、居場所を保護者が探せるオプションがありますが、保護者がahamoに乗り換えると、ahamoは極力オプションをそぎ落としているプランですので、使えなくなってしまいます。これは、他社の場合でも基本的に同じですね。

そう考えると、子ども用ケータイを持っているご家庭で、居場所を探すオプションが必須なら、その機能を残すことを第一に考えたいですね。ドコモの場合なら、母親など、どなたか1人が、ドコモのままにしておいたほうがいいと思います。

西山:保護者のスマホを乗り換える場合は、子ども用ケータイとの相性も非常に大切、ということですね。

正田:はい、もし母親がドコモのままとすると、父親と上の子どもが仮にahamoに乗り換えるという手があります。

ここで注意点ですが、auからpovo、ソフトバンクからLINEMOへ乗り換える場合は、家族割引の1回線としてカウントしてもらえなくなってしまいます(ただし、auは夏までに契約した人限定で家族割引を受けられる)。
一方で、ドコモのahamoに限っては、家族割引の1回線としてカウントしてもらえる利点があります。

つまり、ドコモで契約している一家の場合なら、例えば母親がドコモのまま、他の2人がahamoに乗り換えることで、母親は2回線分の家族割引を受けられるので、500円が2人分で、母親の分は1000円安くなります。

西山:「家族割引がなくなるのが困る」という方もいますが、ドコモからahamoなら、ドコモが1回線でも残っていれば適用されるのですね。

 

正田:はい、お得ですよね。
このケースなら、父親と上の子どもがahamoでそれぞれ約3000円、下の子どもの子ども用ケータイが550円、母親は、もし契約データ容量が1GBで済むなら2000円超、3GBなら3000円超です(家族割引1000円を引いた後の金額)。

西山:見直し前ですと、スマホ1人分が8000円とすると、3人分で2万4000円ですが、正田さんご提案の乗り換えによって、スマホ3台で8000~9000円程度まで下がりますね。差し引きで、1万6000~1万7000円と大きなダウンです。

正田:大きいですね。ahamoにした2人はキャリアメールや留守番電話サービスが使えないなどはありますが、それ以外は、それほど使い勝手に変わりはないのではないでしょうか。

西山:スマホの見直しというと、「家族全員で見直す」というイメージもありますが、一部の人は乗り換えないなど、いろいろな方法がありますね。

もし、同じ家族構成でソフトバンクの場合ですと、夫婦が他の会社やLINEMO、ワイモバイルなどに乗り換えてしまうと、子ども用ケータイは使えるけれど、居場所を探せる機能が使えなくなってしまうというわけですね。

そうなると、保護者のどちらかをソフトバンクのままにしたいけれど、あと2台をLINEMOにしても、家族割引はないという……。

正田:はい、そうなんです。そのあたりをどう折り合いをつけて考えるか、だと思います。

 
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