日々、一生懸命生きているのに、何かにつけて「女だから」「いいよな、女は」と言われたら、誰だってキレるはず。BE・LOVEで連載中の『この恋、茶番につき!?』の主人公・花ノ木茶子もその一人。しかも、そんなことを言ってくる男と、とあるきっかけから偽装結婚するハメになり……。大人気ドラマ「おっさんずラブ」のコミカライズで注目された山中梅鉢さんのオリジナル作品がいま熱い!

 

物語の主人公は、狭山茶の茶農園が実家という28歳の花ノ木茶子。実家を出てスポーツインストラクターとして働き、3年付き合った彼氏とも結婚目前でした。でも、きっちり仕事をこなしているだけなのに、女性というだけでからかわれたり、嫌味を言われたりする毎日にイライラを募らせていました。

 

イライラもしんどさも真正面から受け止めていると、自分がますます疲れてしまうからと、なんとか水に流そうとする日々。なぜそんなに精神的に追い詰められてしまったかというと、結婚を考える彼の実家にご挨拶に行った時のことがトラウマとなっていたからです。

茶農園を営む両親を早くに亡くした茶子。家業は兄が継いでおり、茶子はスポーツインストラクターとして日々、真面目に働いていました。でも、彼の母に、「女性は家にいて家を守るのが幸せだものね」と言われ、仕事を続けたいと思っていた茶子の気持ちはスルー。そんな話をしている時に、彼の父が帰宅。母は父の元に駆け寄り、かいがいしく素足を拭き始めます。「これももうすぐ 茶子さんの仕事になってしまうのね」と不気味な笑みを浮かべる彼の母を見て、ゾッとする茶子。

 

それ以上に、こんな男尊女卑の家に生まれ育った彼が、3年も付き合っていてそんな素振りを一切見せなかったことのほうが恐ろしくなり、彼と距離を置こうとしたところ、彼はストーカーと化してしまいました。「無理無理無理無理!!」と、茶子は好きだった仕事を辞め、住んでいた家から離れ、実家に逃げ込むことに。

 

4年ぶりに戻った実家。家業を継いだ兄ひとりしかいないはずで、余った部屋に住んで、茶農家の仕事を手伝えばなんとかなると思いながら、家の中に入る茶子。すると、家の中には見知らぬ幼女と、無精髭で作務衣姿のいかつい男性がいました。彼に「あんた誰?」と言われたものの、それは茶子の台詞のはず! 「またくそめんどくせぇやぶきのファンか」と凄まれますが、やぶきは兄の名前でしたが、わけがわからないままに、免許証を差し出してやぶきの妹であり、ここは自分の実家であることをなんとか説明します。

 

茶子が4年実家に帰っていない間に、兄にはふたばという小さな子どもがいて、加佐志一心(かざしいっしん)という男性が、兄にかわって住み込みでお茶を作っていることが判明します。家業を継いだはずの兄は、なぜか作家として執筆活動に没頭していました。

 

ストーカーと化した彼のせいで無職になり、実家に住まわせてもらう代わりに家の仕事を手伝おうと考えていた茶子に対して、一心は「なめてんだろ? どうせ嫁に行くまでのつなぎだって」と一蹴します。必死で逃げてきた実家で、またもや女であるがゆえに下に見られて、ほとほと嫌気が差す茶子。

 

確かに実家に帰ればなんとかなると甘く考えていたところがある茶子ですが、見ず知らずの男にそこまで言われる筋合いはありません。一心に女だからと馬鹿にされた恨みと、化けの皮を剥がしてやろうという思いから、慣れない茶仕事を意地になって手伝おうとする茶子のもとに、例のストーカー化した元カレが押しかけます。とっさに一心にしがみついて「私はもうこの人と結婚したんだから!」と叫んで一時的に難を逃れようしただけのはずが、なぜかこれがきっかけで偽装結婚するハメに!

第一印象が最悪だった男性と、やむを得ず夫婦として偽って暮らすことに、というのは偽装結婚ものの定番ではありますが、マイナスからのスタートだからこそ、紆余曲折を経て二人の距離が近づいていく過程が面白くてハマってしまうもの。この作品でも、一心の人となりやお茶への情熱に触れるたびに、茶子と一緒になってドキドキしたり、困惑したりしてしまうわけです。なぜ一心はここで茶作りをしているのか、兄はなぜ家業を一心に任せたのか、どういう経緯でふたばという娘が生まれたのか、と謎もたくさん散りばめられているので、これらも気になるところ。

また、私たちが普段何気なく飲んでいる日本茶がどうやって作られているのか、茶農家さんの情熱やお茶に対する思いも垣間見ることができます。4月13日に単行本1巻が出たばかりで、5月は新茶の季節! ということで読むなら今のタイミングでしょう。淹れたての香り高い日本茶と一緒にどうぞ。
 

1話無料公開をぜひチェック!
▼横にスワイプしてください▼

続きはコミックDAYSで!>>

 

この恋、茶番につき!?
山中梅鉢 講談社

ストーカーと化した元婚約者から逃げるため、仕事も家も捨てて茶農家を営む実家に戻ってきた茶子。しかし、懐かしの生家には見知らぬ男と謎の幼女に乗っ取られていて――。 出戻り女×マウント男(+訳アリ幼女)、凸凹の3人が織りなす、ウソから始まる家族計画!