その常識は親からの「プログラミング」


親に“常識”を刷り込まれ、幼少期からその考えを盲信してしまうと、子どもは成人してからも親との関係を変えられないままになります。ここでいう“常識”とは、具体的には「子は親孝行するもの」とか、「子は親の面倒をみるもの」といった世俗的なモラルや倫理観などのことです。

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「プログラミング」という言葉を聞いたことがあるでしょう。コンピュータにさせたい仕事を順番に入力していくことですが、親による刷り込みは、これに似ています。
一度プログラミングされた考えは根強く人を縛りつけるため、違う考えを持ったり別の行動をとることができなくなります。こうした「プログラミング」の例としては、
・家族がいちばん。血のつながりほど大切なものはない
・誰からも好かれる人になりなさい
・世のため人のために生きることが最善の生き方
・人に迷惑をかけるな。人を頼るべからず
などが挙げられます。いずれももっともらしく聞こえますが、親子関係で苦しんでいるなら、これら“常識”の真偽を一度、疑ってみるべきでしょう。

 

家族関係は「ゲーム」にすぎない


誰しも自分の親が悪人だとは思いたくないものです。しかし、しつけに熱心で社会的地位の高い「立派な」親がいる家庭では、「親は正しい」という信念が強固に根付いていることがあります。被害者であるはずの子どもですら、自分の親は悪くないと思い込んでいることが多いのです。

親自身も周囲も世間も、親の側が間違っているなどとは考えません。ときには、
・酒を浴びるように飲み、家族に絡む
・家族に特定の価値観を押しつけ、無理やり従わせる
・言葉や暴力で家族を傷つける
といった行動すら大目に見られるか、肯定されてしまいます。
こんなことが起こる理由は、親の成功体験が問題行動を打ち消してしまうためと考えられます。しかし、出世や世間体が最優先で、子どもの気持ちを無視するような人間は、とうてい「いい親」とは呼べません。