ミモレ読者の皆さんの中には、中学受験を控えたお子様をお持ちの方も多いのではないでしょうか? 近年は受験者数が増加傾向にあり、第3次ブームが到来したといわれる中学受験ですが、どうやら平成時代とは様相が異なるようで、かつての「常識」を持ち出すと痛い目を見るそうです。特に、自身も中学受験を経験したことのある親は要注意なのだとか。

中学受験専門塾を経営し、長年にわたって中学受験の変遷を見てきた矢野耕平さんは、著書『令和の中学受験 保護者のための参考書』において、最新の受験事情から保護者の心構えまで、「合格」するためのあらゆる情報を記述しています。そこには子どもの可能性を最大限に生かすヒントも。したがって、受験生の子を持たない人にとっても読んで損のない一冊ではないでしょうか? 今回はその一部をご紹介します。

 


子どもの中学受験に親はどこまで関与すべきか


大切なのは、中学受験をスタートする際に、わが子の「学習状況」がどのレベルなのかを保護者が冷静に把握、理解することです。子の学力を過大評価したり、過小評価したりしないように第三者(たとえば、塾講師など)の声に耳を傾けたいものです。子が中学受験勉強をスタートする際に保護者に求められるスタンスは次のようになります。

 

  
中学受験勉強スタートに際して準備万端の子→保護者は早期にわが子が「自立」して中学受験勉強をできるように働きかけていく。
  
中学受験勉強スタートに際し「出遅れて」しまった子→保護者は子の学習に付き添い、手助けしてやりながら、徐々にその手を離し、子の「自立」を促していく。場合によっては、中学入試直前まで保護者が積極的に携わっていくという覚悟を持つ。
  
中学受験「以前」の学習経験の深浅如何で、保護者が子の中学受験勉強に関与する度合いが相当異なってくるのです。もちろん、子どもたちそれぞれの特性もこの点に大きく関係してきますので、単純な図式を描くのは難しい話ではあります。

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【参考】首都圏における近年の私立中学受験者数の推移
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近年の首都圏中学入試では受験者数が増加の一途を辿っています。その主たる理由としては「大学入試改革」や「大学入試定員厳格化による首都圏私立大学の難化」に対する不安、教育意識の高い都心部の児童数が増加傾向にある点などが挙げられるでしょう。(本書より)

(データ:2点ともに森上教育研究所)