“非モテ”女子の脳内がヤバい。あるあるが詰まった『非モテ女子、今日も安定。』

特にすごい変化はないけれど、真面目に働いて、淡々とした日々を過ごすとある女性。あるパン屋のパンにハマっていたり、部屋の断捨離に悩んでいたり、ダイエットしたいけどなかなかできなかったり、って聞くと、「それ、私も！」とうなずきたくなる人は多いのでは？ ３月にハツキス33号で最終回を迎えた漫画『非モテ女子、今日も安定。』は、日常を生きる女子たちのあるあるが詰まったオムニバスショートです。

『非モテ女子、今日も安定。』に出てくる女性は、ぱっと見は職場や電車の中、街なかに存在していてもおかしくないような感じです。でも、実は変な妄想を膨らましていたり、人に聞いてもらうほどでもないのだけど小さな悩みを持っていたり、最近とある謎が気になってしょうがなかったりと、さまざまなことが頭の中で渦巻いているようです。

見た目は地味であまり存在感もなさげですが、彼女の独り言に近い脳内のあれこれがものすごく的を突いていて、「わかる！ わかる！」と首を振りまくりたくなるのがこの作品の最大の魅力。

たとえば、職場で一緒に働く女性が、自分はクズでバカだから頭を使う仕事はむいていなくて、簡単な作業のほうが気持ちにもラクと話してきた時に、思わず自分も「私もバカでクズなの　クズ仲間!!」とよろこんだものの、後で、その女性には「そんなことないよ!!」と返すのが正解だったのに、スルーして自分の話をかぶせるという失態を演じてしまったことに気付いて凹むとか。

すごく美味しいパンに巡り合って、毎日の暮らしにささやかな楽しみを見つけてよろこんでいたのに、テレビで炭水化物が悪者にされているのを見て、一気に気分が下がってしまったとか。

美容グッズを買ってはすぐに使わなくなるという失敗を繰り返していて、「なぜ使わない美容グッズを買うのか？」というそもそもの謎をネットで検索したら、至極真っ当な答え（手軽なお悩み解決商品をみると、すぐに挽回できると思うから飛びつくけど、怠け者だからすぐ放り投げて次に手を出すから）があっさり出てきて、「その通り！」と納得したはずなのにまたもや美容グッズを買い散らかしてしまうとか。

作品タイトルには“非モテ”とありますが、非モテかどうかは関係なしに、「わかるわー」とうなずきたくなるような、妙にリアルで、くすっと笑って共感できる日常生活のエピソードのオンパレード。「自分はそうじゃないな」と感じるエピソードでも、「そういう考え方の人もいるのか〜」と勉強になることもあれば、「気づかなかったけど、よくよく考えたら確かに変かも」と新たな発見もあり……。

「自分の日常は特に代わり映えしなくて、地味だな」と思っている人は少なくないと思いますが、そんな日常も、目を凝らせばいろんな謎や発見、笑えることが散りばめられていることに気づかせてくれるのがこの作品のいいところ。そして、「今日も安定！」のありがたさも実感できるはず！
 

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