実は「ビデオ会議」には危険がいっぱい!リモートワーク時代にマストな危機管理法_img0
 

ある大学がリモート講義を行ったところ、不適切な画面を配信してしまうという出来事がありました。菅政権肝煎りの官庁であるデジタル庁の設立準備を行っている内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室でも、幹部会議の内容が庁内で閲覧できる状態となり、音声が流出するトラブルが発生しました。

 

コロナ危機をきっかけに多くの企業がリモートワークにシフトしており、ネットを使ってビデオ会議を行うのはごく当たり前のことになっています。ビデオ会議については、当初からやり方に気をつけないと思わぬ画面を配信してしまう可能性があることは何度も指摘されてきました。コロナ危機の初期には、会議に子どもが乱入してしまうなど、微笑ましいトラブルも発生し、本コラムでも取り上げたことがあります。

しかしながら、ビデオ会議が普及するにつれて、重要な会議もネットで行われることが多くなり、セキュリティの問題が課題となりつつあります。使っていないつもりでも音声や画像を配信してしまうという操作上のリスクについても、真剣に対処する必要が出てきたといってよいでしょう。

ITを使って業務を効率化することは、基本的に良いことであり、筆者も折に触れてITの活用を呼びかけている立場です。ただ、ビデオ会議システムのようなソフトには、それなりのリスクがあり、取り扱いには相応の注意が必要であることについても理解しておく必要があるでしょう。

最近のビデオ会議システムは、難しいことを考えなくても操作できるよう工夫されており、多くの人は何の疑問もなくソフトを使っていると思います。

しかしながら、利用者が面倒なことを意識せず、ソフトがパソコン内のカメラやマイクを起動し、Webブラウザを使って動画と音声で外部とやり取りするというのは、パソコンという装置を奥深くまで活用しないと実現できないことです。筆者のように、黎明期からコンピュータをいじっている人間からすると、こうした機能が誰にでもごく簡単に実現できるようになったことについては、技術の進歩を実感すると同時に、少しばかり恐怖を感じる部分もあります。

コロナ危機の発生は全世界的にデジタルシフトを加速する作用をもたらしており、コロナ終息後は元の社会に戻るどころか、ITの活用はさらに進んでいく可能性が高いと考えられます。これからの時代は、仕事でもプライベートでも、重要情報がIT機器を通じてやり取りされることを前提に行動しなければ、自分自身を守ることはできません。

では、IT時代に身を守るにはどうすればよいのでしょうか。

 
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