セキュリティの技術や手法は日進月歩で常にイタチごっこですが、一方で、絶対に変わらない普遍的な法則もあります。それは、リスクの高いデバイス(パソコンやスマホなど)は必要な時しかネットに接続しない、あるいは、役割ごとにデバイスを分けるというやり方です。

筆者は仕事柄、重要情報を扱うこともあるため、セキュリティにはそれなりに気を使っています。

仕事用のデバイスとプライベートのデバイスは完全に分けていますし、Zoomなどに使うパソコンも通常業務用とは別に用意しており、ネットワークの回線も分離しています。普通の人はここまでやる必要はないでしょうし、それなりにコストもかかりますから、すべては程度問題だと思います。ただ、社会のIT化がさらに進むという現実を考えると、仕事とプライベートでスマホを分けたり、それができない場合でも、アプリを別々に運用するといった工夫は必要となるかもしれません。

仕事とプライベートでスマホを分けると、それだけでかなりのリスク回避ができます。SNSにログインする際でも、仕事用のSNSには仕事用のスマホからしかアクセスしなければ、個人的な関係者と仕事関係者との間での誤送信、誤配信のトラブルは原理的にゼロにできます。

 

デバイスを分けてしまうと、現実にはいろいろと不便が生じるものですが、このあたりはリスクとの兼ね合いで判断するしかありません。ITを使ってせっかく便利な生活が実現できたのに本末転倒に思うかもしれませんが、スケジュールなど一元管理しないとうまくいかないものを除いては、可能な限り分けて運用した方が安全なのは確かです。

 

1人1台のパソコンがない企業は少数派になっていると思いますから、会社で使うパソコンは、とりあえず占有が出来ているはずですが、それでもパソコンを管理しているのは会社であって自分ではありません。最近のパソコンは、ネットの閲覧履歴はもちろんのこと、利用者の足跡をかなり詳細に追える仕組みになっています。基本的に会社のパソコンでは業務に関連しない操作は一切行わない、というくらいの覚悟があってもやり過ぎとは言えません。

同様に、業務に使っているスマホには、業務と無関係のアプリは一切入れないと割り切ってしまうのもひとつの考え方です。余計なアプリを入れると当然、トラブルのリスクが増えますし、種類によっては電池の減りも早いですから、良いことがありません。

息抜きの時間もなくてつまらないと思うかもしれませんが、逆に言えば、空いた時間はすべて仕事に充て、できるだけ定時で仕事を終える方向にその労力を振り向けた方が健全だと思います。
 


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