認知症は原因によって「治る」場合もあります。実際に、先にご紹介した70代の女性は、甲状腺機能低下症という病気が原因であることを突き止め、甲状腺ホルモンの補充治療を行ったところ、認知機能が回復し、一度は必要とされていた家事のお手伝いさんが不要となりました。
この甲状腺機能低下症以外にも、いくつかのビタミン欠乏症などで認知症が起こることが知られています。
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ヴィーガンの人はビタミンB12の欠乏に注意
例えば、ビタミンB12の欠乏で認知症が起こり得ます(参考文献1)。
ビタミンB12は、肉や卵、乳製品など多くの動物性食品に含まれるビタミンです。このビタミンは血液の細胞の産生や、神経の細胞の機能維持に重要なビタミンと考えられています(参考文献2)。
ビタミンはその定義上、人間が体の中で合成できない物質ですから、ビタミンB12も十分摂取できなくなってしまうと欠乏状態に陥ります。動物性食品に多く含まれるので、例えばヴィーガンの方がビタミンB12のサプリメントの摂取を怠ってしまうと、ビタミンB12の欠乏状態に陥ってしまいます。
また、ビタミンB12の吸収には胃の働きが重要であることがわかっており、胃の切除をした人や長年胃薬を飲み続けている人も、ビタミンB12欠乏になることがあります(参考文献3・4)。
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