「メタ認知能力」を高める方法は意外とシンプル!?

子どもの”自己肯定感”の育て方。ストレスに負けない脳を育む魔法の言葉とは?_img0
 

子どものメタ認知能力と自己肯定感を高め、同時にウェルビーイング(幸せな状態)を実現する手軽な手段として私がおすすめするのが、「その日に起きた嬉しかったこと」を毎日子どもに尋ねることです。非常にシンプルですが、効果は抜群です。

家庭でやるならご飯を食べるときに家族で報告し合うのでもいいでしょう。それなら親御さんもメタ認知の訓練ができますし、脳内に蓄積しがちなネガティブな情報を少しずつ入れ替えていくいい機会にもなります。毎日かっちり時間を決めてやる必要はありません。何気ない会話のなかに織り込んでいくことができれば十分です。

ポイントはできるだけ毎日やることです。

 

人の記憶は本人が思っている以上に曖昧です。時間軸が長くなると大半の情報は忘却され、印象深い記憶(専門用語で「ピークエンドの情報」)ばかりが残ってしまう特性があります。ピークエンドの情報は「怒られた」「失敗した」「恥ずかしい思いをした」といったネガティブな体験が多くなってしまう傾向があり、日常にあった小さな幸せを忘れてしまいがちです。だから振り返りは記憶がフレッシュなうちにしたほうがいいのです。

しかも人に話しているうちに自分のなかでの興味関心の矛先や、大事にしている価値観、幸せを感じやすいポイントなどが少しずつメタ認知できるようになります。

もうひとつ重要なポイントは、聞き手は相手の言葉をそのまま受け止めてあげることです。

私が主催するワークショップでも相手が言ったことに対して「なぜ?」「どうして?」「なにが?」とロジックを要求する人がたまにいます。子どもにとっては高度な技術ですし、脳の回路も一朝一夕でできるわけではありません。

そもそも人の感覚や感情は非言語的な反応ですから、必ずしも理由があるとは限りません。理由が言語で説明できないからその反応を軽視するのではなく、非言語的な反応性を大切にすることで、「良いな」「素敵だな」「楽しいな」「好きだな」といったポジティブな感情が芽生えやすい脳に変わっていきます。(青砥瑞人さん)