誰とも顔を合わせなくても「人との繋がり」を深く感じられた隔離生活


病院を出てから半日、ようやく子ども3人と自宅に戻ることができました。夫や友人たちからは「病後にいきなりワンオペで大丈夫か」とかなり心配されましたが、勝手知ったる我が家で自分の子どもを3人見ることくらいなんとも思わない強靭な精神を培ったようでした。

 

翌朝「ママ~! 折り紙でハートとウサギ折って!!」と長女に叩き起こされます。え……まだ5時半だけど……。夢にまで見た子ども達3人との生活はやはりとてもハードなものになりそうな予感です。でもどこにも出られない、出なくてもいいという生活はママ友たちの手厚いサポートにより意外にも快適なものになりました。

今また私が体調を崩すようなことがあってはいけないので、意識的にダラダラするように努めました。食事も私のつくるものは所謂オカン飯で、ありったけの野菜や栄養源をこれでもかと詰め込んだ味は二の次のもの。夫が作るニンニクと塩のペペロンチーノや素うどんのほうが遥かに人気だったことよ……。でもこの期間は冷蔵庫のストックも限られているわけですし、冷凍のシューマイとかむしろ子どものテンションが上がるものを積極的に利用し、なるべく料理しないで過ごそうと決めていました。

そしてなんといってもママ友たちの差し入れが秀逸過ぎて毎度お宅の方角に足を向けて寝られないと感じ入っていました。段ボールいっぱいに詰められたAKOMEYAの美味しそうなご飯のお供やお菓子、色々な味の甘酒、そのまま食卓に出せる焼き鳥、下味のついた賞味期限が長いお肉、子供が絶対喜ぶ猫のかたちの食パン(顔が描けるチョコペン入り!) 後半になると飢えてくるフレッシュな果物や野菜。野菜には「こんなの持っていくとあなた絶対張り切って料理しちゃうから悩んだんだけど良かったら使って」というメッセージ付き。優し過ぎかよ。

隔離生活中にママ友から秀逸過ぎる差し入れ。子供が絶対喜ぶ猫のかたちの食パン(顔が描けるチョコペン入り!)(写真提供:著者)

双子が飽きないようにとお手紙や塗り絵、工作キットなどを差し入れしてくれたことにもとっても助けられました。普段だったらバタバタしていて監督するだけですが、今は時間だけならたっぷりある。ママ友が差し入れしてくれた『鬼滅の刃』煉獄さんの塗り絵を、私も一緒に大人のテクニックを駆使して仕上げ、子ども達から賞賛されたりと親子共々楽しませてもらっていました。

「今日○○行くから何か買って行こうか?」と声をかけてくれたり、「これ昨日買って美味しかったから試してみて」とうちの分も買ってきてくれたり、夫がなかなか良くならない(後述)など不安を吐露すると「じゃあ今日はもう何もしないで!」とお弁当を買ってきてくれたり。みんな自分たちもコロナや熱中症など見えない敵と戦いつつ、仕事に子どもにと忙しいのに、我が家の状況を常に気に掛けてくれる、そのお気持ちが嬉しくて嬉しくて。誰とも顔を合わせない隔離生活ではあったけど、側で人との繋がりを深く感じられたことで気持ちを一定に保ち長い戦いを乗り切れたのだと思います。