まるで運命と出会ったかのように視界に入った途端心奪われ、思わず駆け寄ってしまう(もしくは平静を装いつつドキドキしながら近づく)なんていう経験をしたことは誰にでもあるはず。
でもそれが洋服だった場合、さらには、眩いばかりの白や綺麗な色に惹かれてしまった場合、頭をよぎってしまうのは悲しいかな、”私は本当にコレと長くつきあえる?”という不安。
すぐに汚してしまうんじゃないか、今目新しいだけでそのうち飽きる色なんじゃないか……
あれだけ運命を感じたはずなのに、いざ購入するとなると現実問題を懸念して、結局連れて帰るのは黒一択。
特段黒が好き、というわけではないはずなのにクローゼットを見渡せばいつの間にか黒だらけ、なんていう人も少なくはないのではないでしょうか。
確かに、真新しいものばかりで全身を包むことが素敵という考え方も終わったこの時代。
環境への配慮のムードの高まりもあって、手に入れる服は流行よりできるだけ長く愛せるもの、という考え方の一般化がどんどん加速しているのはナチュラルなこと。
でも一方で、実用性だけに徹することなく、やっぱり気分のあがるもの、心から好きだと思えるものが心の栄養になるということを自粛期間を経て改めて実感した人も多いはずです。
本当に好きなものをそばに置きたい。
せっかく手に入れたら長く愛したい。
大切にしたいこの気持ちをどうしたら諦めずにいられるんだろう、と考えている時に偶然、それを応援してくれそうなアイディアを知り、早速私も体験させていただくことになりました。
その名も「KUROZOME REWEAR」。
日本の伝統的な正装である黒紋付だけを100年間染め続けてきた企業「京都紋付」がその技術で洋服を染めあげてくれる、今年伊勢丹で始まったばかりのサービスです。
手続きは簡単。
専用のサイトから申し込み、衣類を発送するだけ。特に染色に関しての問題がなければ約一ヶ月後に黒染めで生まれ変わった衣類が家に届くシステム。
私も形はとても気に入っているのにいつの間にか洗ってもとれない輪染みのようなものができてしまったライトピンクのパンツを。
エディターの出原さんはトートバッグをお願いしました。
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