「私たち、今のままではいられない気がする」。コロナ禍によりむきだしになった政治経済、そして社会の構造的問題。働き方改革やステイホームの進行により、職場や家庭における「ジェンダー平等」について改めて考えるようになったという人も多いのではないでしょうか。
でもこのモヤモヤ、一体どう表現すればいいの? 私なんかに、ジェンダーを語る資格があるの?
mi-molletにて「潮目の私たち」を連載する小島慶子さんが、そんな私たちの疑問にばしっと答えてくださいました!
今日は、〔ミモレ編集室〕一期生兼ミモレブロガーの梅津奏が、〔ミモレ編集室〕第16回編集・ライティング講座のダイジェストレポートをお送りします。
「お前ごときに何が言える?」妄想ダメだしパーソナリティが一番の壁
小島慶子さんのコラムの特徴は、徹底した「一人称へのこだわり」。それはどんな思いからきているものなのでしょうか?
「専門的なことを書くのは研究者の仕事、誰も知らないファクトの掘り起こしはジャーナリストの仕事。では、研究者でもジャーナリストでもない私が発信する意味は何なのだろう、とずっと考えてきました。そして辿り着いたのが、『私の経験をサンプルとして提示する』ということ。それを読んだ人が『私の場合はどうだろう?』と考えるきっかけになるといいなと思って書いています」
ちゃんと勉強して、正解を書かなきゃと思うからハードルが上がるんですね。
「一人称でものを書こうとするとき、一番邪魔になるのが「お前ごときに何が言えるんだ?」といういわば、『妄想ダメ出しパーソナリティ』。そんな時は『どんなに平凡でも、私が経験したことや、それを通じておかしいなとか素晴らしいなと思ったことは、世界で私にしか語れないんだ』と自分に言いきかせるようにしています。そういう一人称の想いが、実は社会とつながっています。私と同世代の団塊ジュニアたちは、社会の色々な場所で重要な立場を担っている年齢で、数の力もあります。この世代が一人称の当事者意識を持つことは、社会を動かす力になるはずです」
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