「コレステロールが高いと健康に良くないらしい」
このような漠然とした理解はある方が多いかもしれません。コレステロールが高いことは確かに多くの病気に関連することが知られています。それでは、実際どのような病気と関連するのでしょうか。認知症にも関連するのでしょうか。
悪玉コレステロールが高いほど発症リスクも高いが……
まずはその答えに迫るべく、こんな研究をご紹介したいと思います。
イギリスから報告されたこの研究では、コレステロールと認知症の関連性が長きにわたって追いかけられています(参考文献1)。追いかけたデータはなんと180万人分。莫大な量のデータが、20年分にもわたって追跡されています。
この180万人のデータを用いて、年齢や飲酒、喫煙などの条件を調整した上で、いわゆる悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールと認知症発症との関連性が評価されました。
この研究では40歳以上の人が対象になっていますが、40歳から65歳までの人のLDLコレステロールの値を測定し、それぞれの値で10年後以降の認知症発症リスクがどの程度あるのかが検討されています。
その結果、LDLコレステロールが高ければ高いほど、10年後以降の認知症の発症リスクが高くなるという関連性が示されました。
そう聞くと、「なるほど、やはりコレステロールが原因で認知症になるのか」と早合点してしまいそうですが、そうではありませんでしたね。これは、サプリメントの話と同様、あくまで「相関関係」であり、「因果関係」を示したものではありません。ですから、「コレステロール値を下げれば、認知症リスクを下げられるかは分からない」ということになります。
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しかし、これはサプリメントの話とは少し事情が異なります。サプリメントの場合には、あまり積極的にお勧めができないとケチをつけてしまいました。それは、そもそもサプリメント自体にその他の病気への有効性もほとんど確認できていないからです。その上で、購入費というコストを払わされることになります。
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