PMSは、女性ホルモンがちゃんと分泌されているからこそ起こります

 

生理前になると、体がむくんだり、便秘になったり、食欲が増えたり、肌が荒れたり、イライラしたり、攻撃的になったり。こんなふうに生理前の3〜10日ほどの間に生じる体や心の不調がPMS(月経前症候群)で、女性全体の約70%以上が何らかの不調を経験しています。

生理前になるとイライラしてパートナーにあたってしまい、後で落ち込むというのを毎月繰り返しているというような話もよく聞きますが、PMSは周りの人とのトラブルの種にもなるのでやっかいです。
生理痛は、出血しているときに起きるので生理痛だと自分で認識しやすいのですが、PMSはそういうサインがないので、何のせいで不調が起きているのか自分で認識しづらいのも難点。

 

PMSが起こる原因とは?


こんなPMSの原因を〝ホルモンバランスが乱れているせい〟だと思い、ネガティブにとらえる人もいますが、これは誤りです。
本当の原因は、排卵後から生理前にエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が、 “正しく”増減していることと関係しています。
プロゲステロンには体に水分をためこむ働きがあるので、排卵後に分泌量が増えると、むくんだり、便秘になったり、体重が増えたりするのです。
生理前に食欲が増すのは、プロゲステロン存在下では血糖値を下げるインスリンの効きが悪いため、結果的にインスリンが過剰に分泌され血糖値が一気に下がりやすくなるから。

また、緊張をもたらす交感神経が優位になったり、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンや、精神を安定させるGABAなどの脳内物質が減ったりもするため、これらの影響でメンタルの不調が起きるとも言われています。

 


PMSを正しく理解すれば不安が減る


このようにPMSは、ホルモンバランスが乱れているから起こるのでなく、ちゃんとホルモンが分泌されるからこそ起こるもの。
卵巣機能が正常に働いているという証でもあります。
これを知っておくだけでも、PMSに対してもう少し前向きな気持ちになれるんじゃないでしょうか? 
そして自分は今、生理前の調子が悪い時期にいるんだと認識すれば、不調が出ても不安になりすぎることもありません。

 
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