一筋縄ではいかない複雑な“お姉ちゃん”には共感しかない!


アラサーOLの姉・ちはるは、事あるごとに、純粋な順平に女心というものを語る。たとえば「“アイロンかけながら”テレビを見ていたら」「“いつも寄るお花屋さん”の前で偶然友人に会って」と、さりげなく家庭的アピールをする同僚女性にイラっとしたと順平に話しておきながら、同僚男性(しかも恋愛対象ではない)からの電話に「今、ホウレン草をゆがいてるところでした~」と答えるちはる。それを順平に指摘されると、「人生のアクセント」だと言う。家庭的アピールの女には気をつけろ、ムカつく、と言いながらも、自身でも「人生のアクセント」としてアピールしてしまう、複雑なちはるに、大人の女性は痛くなるほど膝を打ちたくなるくらいに共感するはず。

 

――女性からすると『僕の姉ちゃん』は共感しかないドラマだったのですが、26歳の男性から見るとどうですか?

「皆さんから面白かったと言っていただいていますが、正直なところ僕自身はまだわかっていない部分もあるし、どうしても自分の演技が気になって、客観的にひとつのドラマとしてはまだ楽しめていないんです。でも、皆さん、特に女性の方から良かったと言ってもらえるので、きっとドラマとして寄り添えているんですね」

――ちなみに姉ちゃんが話す女性心理で印象に残っているものはありますか?

「嘘でしょ⁉ と思ったのは、女性が指の毛を剃っているかどうかで本気かどうかがわかるって話。あれ、本当にそうなんですか?」

――至近距離になってもいいように細部まで気を遣うということはあるのかもしれませんね。でも、あの話を聞いたら、女性の指、見ちゃいませんか?

「そんなことはないですが、驚きはしました。というか姉ちゃんのその発想が面白いなと。指の毛の話に限らずですが、姉ちゃんは結構ズバッと言いますが、意外と誰も傷つけないし、優しく昇華しているし、前向きに生きている女性なんですよ。それに姉ちゃん、家ではズバッと言ってるのに会社ではそんなことなくて。僕は家でのシーンの姉ちゃんしか知らなかったので、ドラマが完成してから通して見たときに『家と会社で全然違うじゃん!』と、本当の弟かのように突っ込んじゃいましたね(笑)」

――逆に家庭的アピールをするあざとい女性はどうですか? 

「うーん。順平はコロッと騙されていましたが、僕はわりとすぐに気づいてしまうタイプなので、あんまり興味はないかなあ。順平のような素直で一生懸命右往左往しているのもいいなと思いますが」

――回を進める毎に、順平も女心がわかってくるんでしょうか?

「どうでしょうか(笑)。ただ、話数を重ねるごとに、姉ちゃんと順平が分かり合って来るんです。順撮り(1話目から順に撮影する)だったので、ドラマ上でも実際にも仲良くなっていて、その少しずつの変化も面白くみてもらえるんじゃないでしょうか」