部屋を片づけることで、新しい人生のスタートを切るきっかけになる──。そんな片づけ術を教えてくれる“こんまり”こと近藤麻理恵さんの、片づけのコツを伝授してくれるWEBマガジン「片づけの学校」。日々の暮らしに欠かせない「片づけ」ですが、意外と“きちんと学んだことがある”という方は少ないのではないでしょうか。正しい片づけ法やマインドを学べるこちらの「片づけの学校」から、人生を上向きにする片づけ法をピックアップする本連載。今回は、思い出品の片づけ方についてご紹介します。
思い出品の片づけは、過去をこれからの人生に活かしていくもの
思い出の品が片づけられなくて困ってる──。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。本連載では、これまで“残すか・捨てるか”の判断がしやすい衣類から片づけを始めて、本類、書類、小物類の順に進めていくとスムーズだとお伝えしてきましたが、いよいよ最後は最もつまずきやすい思い出品の片づけです。
かつてときめいた思い出の品を手放すって、なんだか大事な思い出まで一緒に捨ててしまうような気がしますよね。でも決してそのようには考えないでください。思い出品の片づけは、過去を捨てる作業ではありません。過去の思い出を、これからの人生に活かしていくために片づけをするのです。過去がどんなに輝いていたとしても、人は過去を生きられるわけではありませんよね?
実家を思い出品の避難場所にしない
思い出品を片づける上で忘れないでいたいこととしては「実家を思い出品の避難場所にしないこと」とこんまりさんは言います。そもそも避難させる前に、実家から持ち出していないという方もいるかもしれません。実家に置いてしまった思い出品は、片づけるタイミングを失ってしまいます。自宅にあってもなかなか開けることのない思い出箱。それを丸ごと実家に送ってしまったら、存在自体を忘れてしまいますよね?
かつてこんまりさんのレッスンに来た女性が、思い出の品を実家に送ってしまったことがありました。後日、そのお母様がレッスンに来られたそうですが、「自分だけのリラックスできるスペースが欲しい」と訴えられたのだとか。娘さんの部屋があった場所は思い出の品で埋め尽くされ、お母様がくつろげるスペースはキッチンぐらいだったといいます。
それを知った娘さんは、実家に出向いて送った荷物を整理したそうですが、思い出箱の中に入っていたのは昔付き合った彼との写真や日記など、手放そうと思えば手放せたかもしれないモノばかり。その1つ1つを手に取ることでようやく過去と向き合え、自然と片づけを終わらせることができたといいます。
この女性の話からも分かるように、思い出の品は一度手で触り、ときめかないモノを手放すことで、人は初めて過去と向き合えるのです。そして過去と向き合うことで
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