コーヒーを飲むほどリスクが低減
うつ病予防については、カフェインの働きを評価する研究というのも行われているので紹介します。筆者自身もコーヒーを1日に2、3杯は飲むので、こういった研究は気になり、率先して見てしまいます。
こちらは、前向き追跡研究と呼ばれるタイプの研究で、うつ症状のない様々な量のカフェインを摂取している女性約5万人を対象に、10年間のカフェイン摂取量やその他の食事摂取の変化を追跡調査しています(参考文献1)。
10年間の追跡調査の中で、全体で2607人にうつ病発症が確認されました。そこで、うつ病を発症した人たちのカフェインの摂取量の傾向を調べました。
すると、週に1杯以下のカフェイン入りのコーヒーを飲む女性と比較して、1日に2、3杯のカフェイン入りのコーヒーを摂取する女性はうつ病のリスクが減少するという関連性が見られました。
一方、カフェインレスコーヒー、カフェイン入りの紅茶、チョコレートの摂取についても関連性が評価されていますが、それらとうつ病のリスクとは関連が見られませんでした。
これらのことから、もしかすると少なくとも女性には、カフェイン入りのコーヒーを飲む習慣がうつ病に保護的に働く可能性が示唆されます。これもコーヒーを飲みはじめればうつ病を予防できるということを保証するものではありませんが、とても興味深い結果だと思います。
しかし、これを読んでいるのがもし男性であれば、残念ながら男性についてはこの研究からは何も言えないということになります。
仕事がうまくいかず落ち込んでしまった。そんな日はコーヒーの1杯でもいかがでしょうか。
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