睡眠薬を飲むことだけが解決策ではない


睡眠がよくとれないとうつ病のきっかけにもなったりするため、良い睡眠を確保することが重要です。それなのに、不眠症で悩んでいる人は多い。不眠症を改善するにはどうすればよいでしょうか。

「不眠症があれば不眠症の薬を」というように、何か問題があるとそれに対処する薬を使おうと医師も患者もすぐに考えがちですが、少し冷静に立ち止まり、まずは修正可能な原因がないかを考えることが大切です。

不眠症にも明らかな原因のある場合があります。例えば、夜寝る時に膝が痛むので寝つけないという場合、不眠症を解決してくれる薬は、睡眠薬ではなく痛み止めでしょう。

 

あるいは、若い女性や高齢者などにむずむず脚症候群と呼ばれる病気が見られることがあります。この病気では文字通り、「夜中に脚がムズムズして眠れない」といった症状が出るのですが、このむずむず脚症候群の原因として、鉄欠乏が知られています(参考文献1)

 

鉄が足りなくなると、貧血になるだけでなく、こんな症状を出すこともあるのです。鉄欠乏が原因のむずむず脚症候群の場合には、鉄のサプリメントが不眠症の治療薬となります。

このような不眠症の場合、睡眠薬が根本的な解決策になるとは考えにくく、まずは不眠の原因にアプローチすることが先決となります。

 
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