浅田美代子さんが語る母、恋、そして友情「全部埋まらなくていい。空きがあっても、それも人生」_img3

 

――その人見知りというのは、人に気を遣いすぎて疲れるから、あまり多くの付き合いは望まないということでもなく?

基本的にそんなにいらないと思っているんです。友達は本当に大事な何人かいれば、それでじゅうぶん。学生の頃からあんまり大勢とつるんだりということはしなかったです。本当に仲良い子がいて、どこかに行くときはその子とっていう感じだったかな。

 

――自分は逆で、将来何があるかわからないから、セーフティーネットという意味でも多少合わない人とでもつながりは持っておいた方がいいのかなと思ってしまうタイプです。

それ、疲れないですか(笑)。

――疲れます(笑)。

私は合わないなと思っている人と一緒にいるくらいなら、家で本を読んでおいた方がいいし、映画を観ていた方が良くない?って思っちゃうんだよね(笑)。希林さんがいた頃は、映画は希林さんと行ってたんだけど、いなくなってからはひとりで行きます。友達と行って、帰りにご飯を食べながら感想を言い合うのもちょっと面倒くさいなって思うから。思いついたときにタイムテーブルを見て行っちゃえっていう感じで。

――では、浅田さんが思う女友達と付き合う上での難しさとは?

難しさを感じるような人とは付き合っていない。仕事は別ですけどね。友達だったら、難しさを感じる人とわざわざ付き合わなくていいと思います。

――なんでそんなに強いんでしょうか。

強いのかなあ? 私、小学生のとき、いじめられていたらしいんですよ。あとになって、母から「あんた、いじめられていたのよ」って言われて。そこで初めて知るっていう(笑)。たぶんあんまりそういうドロドロしたものに興味がないんだと思う。女子同士の、裏で先生に言いつけたりとか、そういう感じも好きじゃなかったし。嫌いなもの、興味のないものには近づかない。強いというより、ただそれだけな気がします。

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希林さんのことを思うと、今もまだ寂しい


――一方で少し踏み込んだことを聞くのですが、希林さんという大切な親友を亡くされて3年が経ちました。寂しい気持ちはどう対処していますか。

それはまだ無理ですね。希林さんとご飯を食べに行きたいなとか、会いたいなって、ふっと思っちゃう。何かあったときも、希林さんだったらなんて言うんだろうとか、いちいち考えちゃうし。そこはなかなか整理できないですよね。でも、まあそれもしょうがないかなって。

――どこか希林さんが今も見守ってくれている感覚はありますか。

ちょっとあるかな。「そんなもん、あんた、見てないわよ」って希林さんは言うかもしれないけど(笑)。

――個人的には年をとっても若く見られたいとは思わないけど、カッコよくはありたいと思っています。浅田さんの思う“カッコいい女の生き方”ってどんな生き方ですか。

どうなんだろう。その意味はと聞かれてもうまく答えようがないんだけど、ちゃんとブレずにいる人。あとは希林さんも言ってましたけど、自分を俯瞰で見ることができる人ですね。

やっぱりなんだかんだ言いながら樹木希林はカッコよかったですよね。ファッションも自己流で。私はいつも「なんでそんな変なカッコしてるの?」って言ってたんだけど、だんだん慣れてくると、樹木希林流のファッションになっちゃうじゃない? そこが一本筋が通っている感じがしてカッコよかったですよね。