夜の飲酒や喫煙が睡眠を妨げる


不眠症の問題は、生活習慣に解決のヒントが隠されている場合があります。例えば、夜の飲酒は、入眠にはつながるものの、睡眠の質は悪化することにつながると考えられています。アルコール自体には催眠作用がありますが、アルコールが代謝されると今度は睡眠障害を引き起こすと考えられているからです。

また、タバコに含まれるニコチンにも睡眠を妨げる作用があることが知られています (参考文献1)

 

このため、夜の飲酒や喫煙習慣があって不眠症がある場合には、こういった夜の生活習慣を変えることが重要になる場合もあります。

その他にも、生活習慣の中で見直しができることには以下のようなものが挙げられます。

見直しが可能な生活習慣
 

1 カフェインの制限 
特に昼食以降のカフェイン摂取をなるべく避けることで、寝る時間までには覚醒作用のあるカフェインが全て分解されることが期待できます。

2 飲酒、喫煙習慣の見直し
少なくとも夜遅くの飲酒や喫煙を避けることで、ニコチンやアルコール代謝産物による睡眠への影響を減らすことができます。

3 睡眠サイクルを整える
就寝時間や起床時間を一定にすることで睡眠サイクルを整え、寝つきがよくなることが期待できます。

4 長時間の昼寝を避ける
昼寝が遅いタイミングになればなるほど、そして長くなればなるほど、夜の睡眠に影響を及ぼすと考えられます。昼寝をするとしても、30分にするなど、短くする方が夜の睡眠への影響は少なくなると考えられます。

5 運動習慣
日中に運動を行うことで寝つきを改善することが期待できます。

6 寝る前のスマホ操作やテレビを避ける
スマートフォンやテレビの光への暴露が睡眠周期を狂わせ、寝つきを悪化させると考えられます。そのような光への暴露を避けることも寝つきを助けると考えられます。

7 夜遅い時間の飲食を避ける
夜遅い時間の飲食が、夜間頻尿や胃もたれなどに繋がり睡眠を妨げる可能性が考えられます。


これらの工夫をしても睡眠が改善せず、不眠症に苦しまれているという場合には、より専門的な治療が選択肢となり、その中には睡眠薬での治療の選択肢も含まれます。

 
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