前向きに歳を重ねたい。それは、多くの女性の願いではないでしょうか。

今回は、著書「これでもいいのだ」等で、40歳以降の人生について前向きな見解を綴っているジェーン・スーさんと、「mi-mollet(ミモレ)」のコンセプトディレクター・大草直子の対談を2週にわたってお届けします。

40代という年齢に直面して葛藤している女性が多くいる中で、二人はそれぞれどのように40代を生きてきたのでしょうか。

ジェーン・スー
1973年、東京生まれの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『私がオバサンになったよ』(幻冬舎)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)など著書多数。TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』放送中。TBSの堀井美香アナとのPodcast番組「ジェーン・スーと堀井美香のOVER THE SUN」は毎週金曜日17時配信。

大草直子
1972年生まれ。大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌「ヴァンテーヌ」の編集に携わったのち、独立。新聞、カタログを中心にスタイリング、エディトリアルをこなすかたわら、広告のディレクションやトークイベント出演、執筆業にも精力的に取り組む。2015年1月よりWEBマガジン「mi-mollet(ミモレ)」の編集長、2018年7月には、ミモレのコンセプトディレクターに就任。 近著に『飽きる勇気 好きな2割にフォーカスする生き方』、 『大草直子のSTYLING &IDEA』(講談社)がある。プライベートでは3児の母。


加齢への恐怖心を断ち切る方法

 

――前回、ジェーン・スーさんの「エロいおばさんになりたい」という単語がパワーワードすぎて、頭から離れません(笑)

ジェーン・スーさん(以降スー):私はこの類のことに今までさんざん蓋をして生きてきたんですよね。自分が性的であることはいけないことだって思っていたし、性の対象になるのは20代だけだとも思い込んできた。世の中もそういうものだと思っていたけど、ここにきて解放されて、石油みたいに溢れ出した感じがしますね。

 

――若い頃は出せなかったエロスが、40代になると逆に気負わず出せるようになった、という話がすごくポジティブでいいなと感じました。ただ、老いていく自分をどうしても受け止められない女性も多いと思うんです。若さイコール美、みたいな風潮から抜け出せないというか。

大草:20代の時って、ミスコンに出るような美女とそうでない女性の差がすごく大きかったですよね。つまり親から与えられたものがまだまだ評価される年齢だったので、自分ではどうにもできなかった。

でも40代になると、そうではなくなるんです。大切なのは自分の中で目指す女性像をきちんと持つこと、そして自分の見た目を客観的に見ること。その上で、現状に満足するのか、そうでないならどうしたらよいのかを考えるんです。

もちろん私だって鏡を見て、首に影が入ってきたなあとか、後ろ姿のシルエットが変わったなあとかあるけれど、それを助けてくれるのがやっぱりファッション。私にとってはそれが楽しいですね。

スー: 私も、シミは増えたし首も埋まってきたけど、それを努力してちょっとずつ解消していくのも楽しいです。むしろ20代では効果のなかったビタミン剤やエステが、40代ってマジックみたいに効くんです。そもそも、完璧じゃなくていいんだと思いますよ。

大草:あとは私がいろんな女性を見ていて感じることですが、みんな“28歳の頃の自分”のイメージのまま生きてきちゃっている。だから苦しむんじゃないかなあ。鏡を見たときに“28歳の自分”を見るのではなく、それを一旦捨てて、5年後など“未来の理想の自分”を見るように変えていけばいいです。
 

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ジェーン・スー×大草直子が語る、40代の生き方
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