家族といい関係を築くために大切なこと2:「相手らしさ」を受け止める


完璧な人間がいないように、自分の家族にもそれぞれ長所があれば、欠点もあるもの。場合によっては、自分が望むような性格ではないこともあるでしょう。
そんなときに、“理想の親像”や“理想の子供像”を抱き、相手に押し付けたら、関係は悪化します。多くの人が「少なくとも家族には、自分自身のことをきちんと受け止めてほしい」と思うものなので、そんなことをしたら、自己を否定されている気になり、相手もあなたを受け止めたくなくなってくるかもしれません。

 

家族とはいっても、別の人間。血がつながっていて、顔は似ていたとしても、中身は違うのです。だから、「好み」も「大切にしていること」も「望んでいること」も、自分とは違うこともあるでしょう。
基本的に、親は子供に「生きていくために大切なこと」を色々と教えたほうがいいし、誤った方向に進みそうなときは全力で止めたほうがいい、というのは前提ですが、時には、助言はしつつも最終的には子供の進みたい道に進ませてあげることも大切です。家族とはいえ、子供には子供の人生がありますしね。
それは自分の親に対しても言えるもの。親であろうが、「相手の人生は、相手のもの」。だから、自分の望み通りにコントロールはしないほうがいいのです。
もし自分の思い通りにしようとすると、相手は、自分らしさを失って辛くなってしまうので、「一緒にいられない」と思うようになってしまいます。それが家族の関係を壊してしまうのです。

結局、自分以外の人間を変えるのは簡単なことではないし、本人に強い意志がない限りは、変わらないもの。だから、親子であっても、少し距離を保った状態で相手を見て、「“そういう人”なんだ」と受け止めたほうがうまくいきやすいものです。
それができるようになるためにも、精神的に自立することは大切。親は子供に自分の夢を託したり、子供の人生に乗っかろうとしたりしていると、相手の人生を自分の望み通りにコントロールしたくなってしまいます。逆に子供のほうも、社会人になっても親に依存していると、否応なしに親の影響を受けてしまいます。
親子で依存し、運命共同体にならないためにも、それぞれがきちんと自立をして、距離を保つ必要があるのです。

さらに、「相手らしさ」を受け止めるために、大切なことがあります。それは、「家族としてだけでなく、1人の人間として、相手のことを見る」ことです。
意外と親子とはいえ、相手のことをよく分かっていないことは少なくありません。例えば、子供は「お父さんとしての姿」「お母さんとしての姿」しか見ていないので、「1人の人間」としての顔を見ることはなかなかありません。それは、親も同様です。
親子で身近にいる存在だからこそ、知った気になっていることは多いもの。だから、相手らしさを受け止めるためにも、「相手はどういう人間なのか」を客観的に見たほうがいいこともあるでしょう。

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