家族といい関係を築くために大切なこと3:「親しき仲にも礼儀あり」を肝に銘じる


家族同士が容赦なく傷つけ合ってしまうことがあるのは、距離が近すぎて「甘え」が出てきてしまうことが原因です。
「血はつながっているし、よほどのことがない限り、縁が切れることがない」という安心感が、むしろ関係を悪化させてしまうのです。
親子だから「本音をぶちまけても構わない」「何を言っても許される」ということはありません。相手が大切にしているものに対しては、決して否定しないことは大切ですし、何か注意をするとき(相手を否定するような意見を言うとき)は、気を使って言葉を選ぶことは重要です。
酷い言葉は、言った人よりも言われた人のほうが覚えているもの。子供の頃に親に言われた酷い言葉を、大人になってもずっと覚えている人は少なくありません。それは、その言葉が子供の心に深く傷を刻み付けてしまったからです。
未成年の子供は親の保護がなければ生きていけない存在ではありますが、親の所有物ではありません。どんなに育てるためにお金と労力を費やしたとしても、子供は親とは違う人格を持った人間であり、ものではありません。だから、同化しすぎないようにすることは大切なことなのです。

 

ただし、「親しき仲にも礼儀あり」ということは分かっていても、実際に親子間で礼儀を持てないことは少なくありません。もし子供が社会人になり、がんばれば親元を離れても生きていけるようになったのであれば、物理的に距離を空けたほうがいいこともあります。
別々に暮らし、毎日、顔を合わせるような関係でなくなったとき、ようやく「家族であっても、自分とは違う人間なんだ」と認識できるようになることもあるからです。子供も親と離れてみて、ようやく親のありがたみを感じることもありますしね。

離れて暮らす前にやっておいたほうがいいことがあります。それができているから、離れるということの効果が出ることもあるのです。それを次のページで紹介します。