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「この純白の花のような純真な心を」愛子さまのお印に込めた両陛下の思い【愛子さまの20年】

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2021年12月1日に20歳の誕生日を迎えられた愛子さま。これからは成年皇族としてご公務に携わるようになります。愛子さまらしくお幸せに歩まれますように、今後をあたたかく見守りたいものです。

思えば20年前、愛子さまのご誕生は、雅子さま、現在の天皇陛下、上皇ご夫妻はもちろん国民に大きな幸せをもたらしました。愛子さまご成人を記念して、ご家族で歩まれたこれまでの日々を振り返ります。

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愛子さま7歳。ご一家で御料牧場へ。雅子さまはシングルブレストのベージュのコート、オフホワイトのハイネック、黒のパンツの秋らしいカジュアルな装いです。愛子さまも雅子さまのコートと同じ色のワンピースで、親子のリンクコーディネートになっています。2009年11月1日、栃木県・宇都宮駅にて。写真/The Asahi Shimbun/Getty Images

愛子さまがご誕生されてから、父親となった天皇陛下(当時は皇太子さま)は、雅子さまの子育てに協力し、よきお父さまぶりを発揮されていました。

 

愛子さまが生後8ヵ月を過ぎ、首が座るようになった8月のこと、ご一家は栃木県・那須町の那須御用邸に静養に行かれました。
ご一家は黒磯市(今の那須塩原市)の沼原湿原に遠出をされ、2時間ほど散策を楽しまれました。ここは、かつて昭和天皇と皇后良子(ながこ)さまがしばしば植物採集に出かけられた場所でもありました。

その日、陛下は愛子さまをベビーキャリアに乗せて背負って歩かれました。山歩きで鍛えられた陛下の健脚ぶりは見事です。愛子さまをお留守番にするのではなく、美しい山々を愛子さまにもお見せしたかったのでしょう。

陛下と雅子さまは、ご結婚後、たびたび山歩きを楽しまれています。そんな折には、おふたりで可憐な花に目をとめられるのです。そして、その喜びを御歌に詠まれました。

2001年の歌会始のお題は「草」。

君とゆく那須の花野にあたらしき秋草の名を知りてうれしき

雅子さまは、那須高原で陛下とご覧になった花への想いを詠まれたのです。

その年の12月1日、愛子さまがお生まれになりました。愛子さまのお印は、ゴヨウツツジ。陛下と雅子さまが散策の折に見つけた、那須御用邸の周りに咲く白い可憐な花です。

「この純白の花のような純真な心を持った子どもに育ってほしい」

との願いを込めて、お印にされたのでした。

愛子さま6歳。学習院初等科1年生の遠足のときのお写真。雅子さまは、ストライプのシャツに白のカーディガン、ネイビーのパンツ、愛子さまは白い帽子、水色のパーカー、ネイビーの半ズボン。親子そろって爽やかなブルートーンでコーディネートされています。2008年5月19日、東京・都立葛西臨海公園にて。写真/AP/アフロ

(つづく)
 

【秘蔵写真】愛子さまご誕生時、宮内庁病院前での幸せな瞬間
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写真/JMPA


キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。

構成/高木香織


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