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「可愛がられ抱きしめられた子どもは」両陛下の子育ての信念とは【愛子さまの20年】

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2021年12月1日に20歳の誕生日を迎えられた愛子さま。これからは成年皇族としてご公務に携わるようになります。愛子さまらしくお幸せに歩まれますように、今後をあたたかく見守りたいものです。

思えば20年前、愛子さまのご誕生は、雅子さま、現在の天皇陛下、上皇ご夫妻はもちろん国民に大きな幸せをもたらしました。愛子さまご成人を記念して、ご家族で歩まれたこれまでの日々を振り返ります。

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愛子さま5歳。幼稚園の運動会にて。年長になられた愛子さまは自分で貼り絵をした帽子をかぶり、お遊戯を披露。その成長を陛下(当時は皇太子さま)と雅子さまは笑顔で見守られています。2007年10月6日、東京都豊島区・学習院幼稚園にて。写真/The Asahi Shimbun/Getty Images

2005年2月23日、天皇陛下(当時は皇太子さま)は45歳の誕生日の会見を行いました。その中で、3歳になられた愛子さまについて、父親としての正直なお気持ちを述べられました。
この誕生日会見は、子どもの教育について陛下が率直な思いを語られたことで、大きな話題を呼んだのです。

 

「愛子の教育方針ですが、愛子にはどのような立場に将来なるにせよ、ひとりの人間として立派に育ってほしいと願っております。3歳という年齢は今後の成長過程でも大切な時期にさしかかってきていると思います。愛子の名前のとおり、人を愛し、そして人からも愛される人間に育ってほしいと思います。それには、私たちが愛情を込めて育ててあげることが大切です」

そして、最近出合った詩として、『子ども』を音読されたのです。これは、アメリカの家庭教育学者ドロシー・ロー・ノルトが作った詩で、スウェーデンの中学校の社会科教科書から引用したものでした。
 

子ども

批判ばかりされた 子どもは
非難することを おぼえる

殴られて大きくなった 子どもは
力にたよることを おぼえる

笑いものにされた 子どもは
ものを言わずにいることを おぼえる

皮肉にさらされた 子どもは
鈍い良心の もちぬしとなる

しかし、激励をうけた 子どもは
自信を おぼえる

寛容にであった 子どもは
忍耐を おぼえる

賞賛をうけた 子どもは
評価することを おぼえる

フェアプレーを経験した 子どもは
公正を おぼえる

友情を知る 子どもは
親切を おぼえる

安心を経験した 子どもは
信頼を おぼえる

可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じとることを おぼえる

ドロシー・ロー・ノルト『子ども』(『あなた自身の社会』新評論より抜粋) 

 

愛子さま3歳。2005年1月、雅子さまと書初めを。「あいこ」と平仮名でお名前を書かれています。東宮御所にて。写真/宮内庁提供
愛子さま4歳。2006年3月13日、東京ディズニーシーへご家族そろってお出ましに。写真/JMPA・小学館
愛子さま12歳。2014年3月18日、東京・学習院初等科の卒業式にて。写真/代表撮影/ロイター/アフロ
愛子さま15歳。天皇陛下(当時は皇太子さま)57歳のお誕生日のポートレート撮影は、ブルーをキーカラーに。ご一家の仲の良さが伝わってくる、調和のとれた装いです。2017年2月12日、東京都港区・東宮御所の談話室にて。写真/宮内庁提供
愛子さま16歳。58歳になられた現在の天皇陛下(当時は皇太子さま)と雅子さま、愛子さまのポートレート。この年も美しいブルーのグラデーションになったリンクコーディネートでした。皆既月食について、資料をご覧になっています。2018年2月12日、東京都港区・東宮御所の談話室にて。写真/宮内庁提供
愛子さま19歳。2020年春に学習院大学文学部日本語日本文学科に入学されました。写真/宮内庁提供


(おわり)
 

【秘蔵写真】愛子さまご誕生時、宮内庁病院前での幸せな瞬間
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写真/JMPA


キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。

構成/高木香織


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