理不尽な人への交渉術2:感情的にならずに、冷静にデータや情報を元に交渉する


交渉するときは、感情的にならないほうがいいもの。お互いに感情的になって、単なる喧嘩になってしまったら、話し合いになりません。
自分にとっての交渉のゴールは、「自分の要望を相手に聞いてもらうことなのだ」ということを肝に銘じて、その目的に向かった言動をすることが大切です。

相手に自分の言い分を納得させるためには、それなりにデータや情報が必要となることがあります。特にプライベートの交渉事だと、「口で言えばいいから」と思いがちですが、きちんと資料にしてまとめ、それを見せながら相手を説得したほうが、話が進むことはあります。
想像力や理解力は個人差があるので、口で説明しても、相手がきちんと理解できるとは限りません。「資料を作るのは面倒だ」と思いがちですが、場合によっては、口頭で交渉するよりも手っ取り早く解決できることがあるのです。
メールのやりとりで交渉する場合は、さらに注意が必要です。文字だとニュアンスが伝わりにくいし、“相手の読解力”によっても、理解の度合いは変わってくるからです。できれば、対面で話したほうがいいですし、少なくとも電話で話したほうがいいこともあるでしょう。

すぐ感情的になってしまう人は、だんだん頭に血が上って、言うことが支離滅裂になってしまうことがあります。その場合は、代理人を立てて交渉したほうがいいこともあります。人には得意、不得意があるので、お金はかかりますが、弁護士など“交渉のプロ”に任せたほうが、いい結果になることはあるでしょう。
また、交渉相手が感情的な性格の場合も、当事者である自分が交渉すると、喧嘩に発展してしまう可能性があるので、代理人を立てたほうがいいことも。特に離婚話(別れ話)による事件は少なくないので、注意をしたほうがいいでしょう。

 

理不尽な人への交渉術3:「折り合いをつける」ことが大切


自分の要望を無理やり相手に飲ませてしまうと、そのときはよくても恨まれてしまうので、後になって影響が出てくることがあります。
だから、お互いに折り合いをつけながら、最終的には納得できるように持っていくことが大切。そのためにも、こっちの要望を一方的に従わせるのではなく、「相手に選択肢を与える方法」がいいこともあります。「Aの方法とBの方法、どっちにしますか?」と。
「自分が選ぶ」という行為によって、相手は「自分の意志が反映された」と思うところがあるのです。

ただし、「どっちも嫌だ」と言い出すこともあるでしょう。その場合は、「自分がどこまで譲歩できるのか」を前もって考えておくことが大切です。
ある意味、“お客様に値引き交渉される店員”に近いものがありますが、例えば、5000円で販売しているものに対して、3000円までなら値下げできるというのを分かった上で、お客様に値引きの要望をされたら、4000円まで値下げするとか(笑)。「自分の言い分に応えてもらった(得した)」という事実が、相手を納得させるところがあるのです。

「譲歩したくない」と思うこともあるでしょうが、自分自身、いつまで人生の貴重な時間を、そんな理不尽な相手に費やすのか、という話にもなってきます。
つまり、自分の中にも二者択一が生まれてくるのです。「自分の要望を通すために、人生の貴重な時間を理不尽な相手との交渉に費やすのか」それとも、「妥協することがあっても、さっさと交渉を終わらせて、もっと楽しいことに時間を費やすのか」。それについては、次のページで紹介します。