エンタメ業界で活躍するライター6名が、2021年に公開・放送・配信(海外作品は2021年日本公開)された作品から「個人的ベスト5」を選出。まだビミョーに遠出はしにくい今年の年末年始。家で過ごす時間は、気になっていたあの作品のイッキ見に費やしてはいかが?

選者:さかいもゆるさん(ライター/海外セレブウォッチャー)基本的には王道なストーリーが好きで、すぐに感情移入しがち。そんなライターさかいが2021年、「キュン」とした作品をご紹介します!

5位:深夜帯連ドラ『ホメられたい僕の妄想ごはん』
(ひかりTVで独占配信中)

『ホメられたい僕の妄想ごはん』 写真:番組公式サイトより

メガネのオタク男子が夜な夜な作る「妄想ごはん」に癒されて……♡

たまたま夜中につけたTVの中の、高杉真宙さんの演じる弱々しいオタクキャラ+メガネ+ネクタイ+ギターという組み合わせが、私の個人的な「癖(へき)」に刺さりすぎて虜に。

 

人気バンド「ゲスの極み乙女」のメンバー、休日課長さんが出版したレシピ本からインスパイアされたドラマということで、主人公・理生は料理好きな音楽オタク男子。人前では意見もロクに言えない理生が、夜、家に帰ってからいろんな妄想をしながらひとりでご飯を作って食べる、というゆるい内容がテレ東っぽくて最高。レシピもしっかり紹介してくれるので、「何食べ」にハマった人ならこっちも好きかも。

私はもともと高杉真宙さんのことを推していたのですが、このドラマに高杉さんをキャスティングした人、天才か! と思いました。できることなら、真宙くんには一生この髪型&メガネでいて欲しい! それくらい、この役がハマってるんです。

お疲れ気味の女性陣に特におすすめしたい、癒し系ドラマです。



4位:Netflixシリーズ『セックス・エデュケーション』

『セックス・エデュケーション』(シーズン1)より 写真:Everett Collection/アフロ

青春してない世代が観ても共感できるツボがいっぱいの、笑って泣ける青春コメディ。

Netflixオリジナルドラマ、待望のシーズン3がようやく配信スタート。セックスカウンセラーの母親を持つ、イケてない男子高校生が学校でセックスカウンセリングの真似事を始めて……というテーマだけに、とにかくセックスシーンがいっぱい出てくるのだけど、セックスをすごく真面目に捉えているドラマなので、性描写が苦手な人でも嫌悪感は湧かないはず。

イギリス制作のドラマで、アメリカのNetflixと違い派手さはないんだけどしみじみいいんです。登場人物全員がそれぞれどこかに「ルーザー感」を味わいながら生きていて、だけど優しくて。毎シーズン、最後にはみんな人間的に大きく成長しているところにグッと来ちゃう。笑えるコメディドラマのはずなのに、気づいたら泣かされていた、という胸に刺さるシーンがいっぱい。

友情、結婚と離婚、家族に子育て、セックスとジェンダーの問題などなど、現代の様々なテーマを見事にひとつにまとめて8話で描き切っているのもすごい。主人公の母親でバツイチのセックスカウンセラー役を演じるジリアン・アンダーソンも、若作りしていない、成熟したセクシーさが素敵。50代女性が仕事や恋愛、育児に苦悩する様はミモレ世代にも重なるところがあるし、どの世代が観ても共感できるように作られているのです。

ハイスクールが舞台ではあるけれど、高校生だけでなく大人のセックスについても描かれており、みんな、いくつになってもセックスで悩んでいるんだなと。そしてセックスはみんな違ってみんないい、と勇気をもらえます。また、シスターフッドについてもよく描かれていて、ケンカしたりつまらないことで時々張り合ったりしたとしても、女性同士の絆ってやっぱりいいな、とも。

キラキラした世界観は眩しくて観れないくらいに心が疲れているときにもおすすめの、「沁みる」名作。「よし、私もがんばって生きてみよう」と思わせてくれます。