受け止める前に、本質を理解することが大事


柔軟性を持って、さまざまな変化を受け止められるようになることは大切ですが、ただただ何も考えずに順応していると、自分軸がなくなってしまうことがあります。
例えば、現代では、「男らしさ」「女らしさ」という言葉が死語になりつつあります。今まで女性向けの媒体では、さまざまな「女らしさを高める秘訣」を紹介してきましたが、だんだんこの言葉を使えなくなってきたのです。
特に40代以上の女性からしてみたら、子供の頃から「もっと女性らしくいなさい」と言われながら育ってきた人や女らしさを大切にしてきた人もいるので、そんな変化に戸惑うこともあるでしょう。

物事に変化が起こった時には、そこにある本質や本意を理解することが大切です。「男らしさ」「女らしさ」が死語になりつつある理由は、「色々な事情の人がいるから、性別を押し付けるような発言はNG」「女らしさ(男らしさ)とはどういうものなのかを決めつけてしまうと、それに当てはまらない人が女として(男として)欠陥があることになってしまうのはよくない」ということに過ぎません。
心理学において「男性性、女性性」という用語があるように、肉体的な性別のことではなく“内面的な部分”における「男らしさ」「女らしさ」というのはあることになっていて、それは差別的なワードではありません。
ただし、女性であっても、「男性性が強い」ことは悪いことではなく、さらに「自分の中にある男性らしさを高めたい」と思ってもいいし、男性も同様です。

 


「男らしさ」「女らしさ」が死語になっている理由とは


「男らしさ」「女らしさ」という言葉が死語になりつつある背景にある思想は、「女性性(男性性)を高めることを否定している」のではなく、「誰に対しても、自分らしくいることを認めよう」ということ。女性性の高いタイプの人であるなら、これからも(内面的な部分での)女らしさを発揮していけばいいし、逆に、他の人に対しては、女らしさ(男らしさ)を押し付けずに、「その人らしさを認めましょう」ということなのです。それは新しい常識というわけではなく、至極当然のことです。
本来は、使い方さえ間違えなければ、「女らしさ(男らしさ)」というワードは使ってもいいものです。でも、その根本的なことが分かっていないと、ただただそのワードにばかり敏感になってしまい、言葉を使う人も、受け取る人も過度に反応をして、生きづらさを感じてしまうことはあるでしょう。

常識や価値観は変わっても、「自分らしさが大切」というような“根本的に大切な道理”はそうそう変わりません。道理を理解できていると、新たに常識、価値観が出てきても、誤解することなく、対応できることは多いでしょう。
では、そういった道理を学ぶには、どうしたらいいでしょうか。次のページで紹介します。