睡眠を削って働くことを美徳とするのは、
時代遅れな考え方です
前回、睡眠不足がメンタルダウンを招くというお話をしましたが、睡眠時間が足りている指標となるのが、起きている間に、一瞬たりとも眠くならない状態であるかどうか。日中にうとうとすることがあるなら睡眠不足なのです。
更年期を境に増える不調に「不眠症」がありますが、不眠症には、布団に入ってもなかなか寝つけない「入眠困難」、睡眠中に目が覚めてしまう「中途覚醒」、望む時刻 より2時間以上早く起きてしまう「早朝覚醒」、睡眠時間は十分なのに疲れが取れない「熟眠困難」の4つのタイプがあります。
更年期の不眠症、実は睡眠時間の不足が原因の場合も
更年期になると、自律神経が乱れやすくなるので、こういった不眠症の症状が起きやすくなりますが、ただ、多くの人は、不眠症ではなく、睡眠時間が足りていないことによる不調と考えられます。
睡眠不足だと日中にうとうとしやすく、変なタイミングで寝てしまうので夜に寝つきが悪くなったり、深く眠れなくなったりといった問題が起きやすく、それがきっかけで不眠症になってしまうことも。
睡眠時間の不足は本当に大きな問題です。
日本では、高度成長期に、睡眠時間を削って働くことが美徳とされてきたせいもあり、いまだにそのイメージを引きずっている人もいるようですが、睡眠不足によるリスクがわかってきている今、そのような考え方は時代遅れです。
睡眠不足はメンタルダウンを招くほか、将来の認知症のリスクも高めてしまいます。
また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病とも深く関わっています。
睡眠は、強い意志がないとなかなか確保できません。
たとえば家族の帰りがいつも 遅くて、その食事の用意をするために寝るのが遅くなってしまうような場合には、「遅くなるなら自分でやってね」と、自分の睡眠時間を確保する状態を作っていくことです。
睡眠不足による将来のリスクについて、説明すればお子さんもわかってくれると 思いますし、家族全員で睡眠への意識を変えていくことが大切です。
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